V6は、“青春”の象徴として輝き続けたーー突然の解散発表に寄せて

 V6が、2021年11月1日をもって解散することが発表された。その知らせが駆け巡った当日は、寂しい思いが募るばかりだった。だが、時間が経つにつれて「V6らしい決断」だとポジティブな気持ちが大きくなりつつある。それは、いつだってV6が、一見相反するものを、両立させる力のあるグループだったから。

V6
V6

 V6が、今もなお私たちの中に青春の象徴として輝き続けるのは、きっとバラエティ番組『学校へ行こう!』(TBS系)での活躍が大きい。1997年から2005年まで毎週火曜日を楽しみにしていた世代はもちろんのこと、2015年の特別番組、2017年から年1回ずつ放送されてきた後継企画『V6の愛なんだ』が、青春の1ページを彩った世代もいることだろう。

 そこで、彼らはいつも「仲良くない」と言いながら、実に「仲睦まじい」姿を見せてきた。ロケ先で井ノ原快彦が「別の仕事でもう行かなきゃ」と言えば、三宅健が「早く帰れ」と即答。癒やし系なキャラクターであるはずの長野博もフォローするどころか「早く行かないと間に合わないよ」と、むしろ急かしていく。

 また、メンバーが乗り込んだ車の中に岡田准一がいないことに気づいたときも「かわいそうだ」と言いながら、追いかけてくる岡田を振り払うべく「行け行け!」と車を発進させて大笑いしていたメンバーたち。そのV6に漂う甘すぎない少年っぽい友情が、どこか素直になることが難しい青春時代にピッタリだった。

 名物企画の「未成年の主張」では、多くの中高生が様々な思いを叫んできた。なかには、勇気を振り絞って恋する相手に気持ちを伝えたのに、振られてしまう場面も。そんなときは、彼らがいつも駆け寄って「頑張ったよ」「大丈夫だって」と励ましてくれた。「思い通りになんていかない世の中だ」と痛感しても、それでも「温かい希望はある」と複雑な気持ちを同時に受け入れられたのは、共に青春を駆け抜けるV6がいてくれたからだ。

 何より彼ら自身も、この番組を通じて、うまくいかない自分と向き合う姿を見せてくれた。かつて高校を中退していた井ノ原は通信制高校に通い始め、無事に卒業。カメラが密着しているにも関わらず、気さくに付き合ってくれた学友に「僕みたいな人間を受け入れてくれたこと一生忘れません」と涙を流すシーンもあった。そして「自信を持って言えるのは、“学校はいいところだ”ということ!」という熱い言葉が胸に響いた。

 そしてV6デビュー10周年のタイミングではリーダーの坂本昌行が、V6結成当初から感じてきたプレッシャーや苦悩を語り、「一番先頭に立って“楽しもうぜ”って言ってる俺が、楽しめてなかった。ごめん。申し訳なかった」と涙ながらに謝罪したことも。「これからは楽しもう」という坂本の決意に、目を潤ませてまっすぐに見つめるメンバーが印象的だった。

 また、涙とは無縁なキャラクターだった森田剛が、タイの象使いの修行に励み、その家族から優しく受け入れられてポロポロと泣いてしまったこともあった。「スイッチ入ったんでしょうか」なんて照れくさそうにコメントしているところも、なんとも森田らしいと感じたものだ。

 やがて誰もが年齢を重ね、大人になっていく。『学校へ行こう』のレギュラーも終わり、彼らも6人中4人が既婚者となり、父親の顔も持った。時間は絶えず一定方向に流れ続けるけれど、それでもV6の6人が集まったその空間だけは、青春時代に戻れるような気持ちだった。

 映画、ドラマ、舞台、バラエティ、情報番組……各方面でそれぞれがソロとして一流の活躍を見せながら、V6の中に戻るとかつての変わらない関係性が微笑ましい。井ノ原が朝の顔としてロケを抜けなければならないとなれば、やっぱり「早く行け」と言われるし、岡田が日本を代表する俳優として活躍しても、やっぱり兄たちの愛あるイジりのターゲットになってしまう。

 変わっていくけれど、変わらない。個性がバラバラだという、一体感。その相反する何かを、いつも同時に楽しんでいく。それがV6の25年だった。この長い期間、メンバーが誰1人として欠けることがなかったV6という存在は、私たちにとっても誰1人置いてきぼりにしないホームのような場所だった。V6の「解散」がこれほど寂しいのは、彼らと共に繋がっていた25年という私たち自身の青春からの「卒業」に感じるからなのかもしれない。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる