DEEP SQUAD、真骨頂のラブバラード ハーモニーから浮かび上がる各メンバーの個性とは?

 2020年、コロナ禍に見舞われながらも念願のデビューを果たし、その歌声で多くのファンを掴んだ6人組コーラスグループ DEEP SQUAD。彼らが先日行った「CL」限定の配信ライブ『DEEP SQUAD CL PREMIUM LIVE & TALK “TRUE LOVE”』で、ラストナンバーとして歌われた最新シングル曲「あなたが迷わずに」を今回は取り上げていきたい。

DEEP SQUAD「あなたが迷わずに」

 3rdシングルとして2月22日に配信リリースされた同曲は、ナガシマリゾート「なばなの里 イルミネーション」CMタイアップ曲として制作されたバラード。なばなの里のチャペルから着想を得たという本作は、大切なパートナーに永遠の愛を誓う“プロポーズソング”となっている。ただし、先日の配信ライブでも「(ファンの)皆さんに向けての愛の歌として歌います」と紹介されて歌われていたように、あくまで男女の恋愛だけではなく、他者と寄り添う中で生まれる多様な愛を伝える歌でもあるだろう。

 前身グループ DEEPが、ファンに長く愛される名バラードを数多く世に出していることもあり、バラードソングというのはいわゆる“腕の見せ所”として期待されるところではある。ただ、その上で本作は、詞のメッセージ性やドラマチックなメロディ展開、パート構成やハーモニーなどを通して、各メンバーの歌声ーー特に新メンバー3人の個性を見事に表現してみせた。

 まず、1番サビを新メンバー・比嘉涼樹が歌うのは、2ndシングル曲「Good Love Your Love」に続いてのことだ。メンバーから“Aメロ職人”と呼ばれる彼のハスキーかつ色気のある歌声は、やはり今作でも非常に聴き分け易く、DEEP SQUADの世界観にリスナーを惹き込む看板としての役割を担っている。さらにその後に来る、音抜けが良く存在感ある杉山亮司の歌声も、メロディが帰還していく展開にバッチリとハマっている。

 また、この曲では最年少メンバーである宇原雄飛が初めて歌い出しを担当。なおかつ、ラスサビが宇原の歌声から始まるというのも新鮮な点だ。抑揚が深い歌声のメンバーが多い中で、宇原の語りかけるような優しい歌声は、この曲のストレートな愛情表現をあくまで日常に溶け込むような素朴さでもって伝えてくれる。さらにラスサビでは、続くYUICHIROのハイトーンボイスがエモーショナルに響き渡り、特に感動的だ。無論ここに挙げた例に限らず、6人で積み重ねていく歌声の展開は、そのまま詞の中で積み重ねられる感情に共鳴している。自分のお気に入りの箇所を探してみるのもいいかもしれない。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる