アイナ・ジ・エンド&アユニ・D、ソロでの躍進支えた“キーパーソンとの出会い”

 アイナ・ジ・エンドとアユニ・D。BiSHのメンバーでもある2人が、2021年、ソロアーティストとして飛躍の時を迎えている。

 2月に初のソロアルバム『THE END』をリリースしたアイナ・ジ・エンドは、3月1日に東京国際フォーラム ホールAで初のソロツアーの最終公演を開催。一方、アユニ・Dによるソロバンドプロジェクト PEDROは、2月13日に日本武道館でワンマンライブ『生活と記憶』を開催。それぞれ記念碑的な場所でのライブを終えたばかりのタイミングだが、早くも次に向けての動きが見えてきている。それぞれがソングライターとしてさらなる覚醒を果たしているのだ。

 アイナ・ジ・エンドは3月3日に新作EP『内緒』をリリース。『THE END』に引き続き、「あぁ揺れてる」「彼と私の本棚」「誰誰誰」「勘違いべいびー」という全4曲の作詞作曲をアイナ自身が手掛け、プロデュースや演奏陣に亀田誠治、Ovall、Kan Sanoらが参加した作品だ。

アイナ・ジ・エンド - 彼と私の本棚 [Official Music Video]
アイナ・ジ・エンド - 誰誰誰 [Official Music Video] / TVドラマ「アノニマス 〜警視庁“指殺人”対策室〜」OPテーマ

 収録曲のうち2月23日に配信リリースされた「誰誰誰」は、TVドラマ『アノニマス ~警視庁“指殺人”対策室~』(テレビ東京系)OPテーマに書き下ろされた1曲。編曲は亀田誠治が手掛け、スリリングな曲展開が突き刺さるような印象を残す。映像作家の山田健人がディレクションを担当したMVも刺激的だ。

 そしてPEDROは、新曲「丁寧な暮らし」を2月26日に配信リリース。こちらは2月10日に発売されたライブ映像作品『LIFE IS HARD TOUR FINAL』初回限定盤に事前予告なく同梱されたCDの収録曲で、武道館公演でも披露された1曲だ。作詞作曲はアユニ・Dで、曲名とは真逆の自堕落な日常が描かれている。上京によって一変したライフストーリーを描いた新曲「東京」と地続きの、六畳一間の小さな部屋で生活していた上京当初の頃の思い出が刻み込まれたようである。

PEDRO / 丁寧な暮らし [OFFICIAL VIDEO]
PEDRO / 東京 [OFFICIAL VIDEO]

 さらにPEDROは、8月から全国8都市9会場を回るライブツアー『SENTIMENTAL POOLSIDE TOUR』開催も発表している。コロナ禍に直面しながらも全国ツアー『LIFE IS HARD TOUR』を行った2020年に続き、2021年もバンドとして旺盛な活動を続けていくスケジュールが決まっているわけだ。

 というわけで、この記事ではアイナ・ジ・エンドとPEDROが歩んできたストーリーと、その背後にある不思議な“縁”について紐解いていきたい。

 それぞれのソロプロジェクトがスタートしたのは2018年。そこにあったのは、2人のキャリアを変える出会いだった。

 『THE END』でほぼ全曲をプロデュースしている亀田誠治とアイナ・ジ・エンドが出会ったのは、2018年5月に開催されたロックフェス『VIVA LA ROCK 2018』でのこと。亀田誠治はVIVA LA J-ROCK ANTHEMSという、J-POPやJ-ROCKの名曲をアーティストが生演奏でカバーするというステージのバンドマスターを務めており、そこで椎名林檎の「本能」を歌うボーカリストに抜擢されたのがアイナだった。そこからの縁で、その年の9月にリリースされたアイナ・ジ・エンドのソロデビュー曲「きえないで」のプロデュースも亀田誠治が担当している。

 同じ9月にアユニ・Dは、バンド形態のPEDROとしてデビューミニアルバム『zoozoosea』をリリースし、新代田FEVERにて初ライブを開催している。サポートメンバーに田渕ひさ子(Gt)、毛利匠太(Dr)を迎え、3ピース演奏で行われたステージではPEDROのオリジナル曲に加えて、田渕ひさ子の在籍するNUMBER GIRLの名曲「透明少女」のカバーも披露された。

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