GENERATIONS 片寄涼太、ロマンティックで甘い歌声 ラフさも見せるギャップで海外にも広がる人気

GENERATIONS片寄、ロマンティックで甘い歌声

 昨年、初のソロ楽曲「Possible」を発表した片寄は、一度聴けばすぐに彼の声だとわかるほど、少年っぽさを残した甘い歌声が特徴。デビュー時はそのあどけない雰囲気がGENERATIONSのフレッシュさを表していたが、今では彼の歌声がラブソングにロマンティックな香りを振り撒いている。パフォーマンス時の表情も魅力的で、特に「You & I」や「雨のち晴れ」といった愛に溢れたメッセージソングでは、歌声だけで彼の屈託のない笑顔が浮かぶ人も多いはず。一つひとつの言葉を慈しむように歌う様子も、彼の真面目な人柄を象徴している。また、2015年にGENERATIONSとして発表した「STORY」(アルバム『GENERATION EX』収録)で初めて作詞に挑戦すると、2019年には、自ら作詞した「Pray」が自身の主演配信ドラマ『TOKYO COIN LAUNDRY』の主題歌に。それはまさに、「僕たちは7人で、GENERATIONSというでっかい看板を背負っていて、一人一人がその看板を守るために団結して、ソロの時にもチームを代表して頑張らなければならない」(※5)と語る彼が、自分がソロ活動で得たものをGENERATIONSに還元できた瞬間と言えるだろう。2018年にリリースされた「少年」のMVにも、ライブなどで披露している特技のピアノ弾き語りと、彼の演技派な一面を感じられるモノローグシーンが収められているので、こちらもぜひご覧いただきたい。

GENERATIONS from EXILE TRIBE「Pray」

 「真面目が取り柄で、真面目が欠点みたいなタイプ」「ちっちゃい頃から完璧主義者で、それで自分を苦しめてきたところもあって」(※6)と語る片寄は、徹底した役作りで俳優としても活躍中。その結果、主演作が続々と公開され、『PRINCE OF LEGEND』シリーズではセレブ王子、映画『午前0時、キスしに来てよ』ではスーパースターを演じ、お茶の間では王子様キャラが定着している。しかし、王子の実態は、メンバー曰く「上品さ×腹黒」(小森)、「スター感×おじさん」(佐野)という“ギャップの塊”。酔っぱらうとおじさんのような振る舞いをするなど、メンバーの前ではラフな姿を見せているそうで、佐野は「しっかり、“(自分は)こうやったらこう見える”みたいなのがなんとなくわかってるし、こうすべきだみたいなのとかも見せるのが上手い人だと思う」(※7)とも語っている。筆者がGENERATIONSにインタビューした際には、片寄涼太=“笑いに走りがちなメンバー達をまとめるしっかり者”という印象を受けたが、その時々で自分が求められていることを感じ取り、行動できることが、片寄が多くの人に愛される理由なのだろう。真剣な表情で歌っていたかと思いきや、キラキラとしたスマイルを振り撒いたり、ドS発言をしたり、おどけてみたり……。好きになればなるほど見えてくる彼の新たな一面に、人々は翻弄されるのだ。さらに、人気は世界へと広がり、近年では中華圏でも熱狂的な人気を誇る存在に。人生を変えたオーディションから10年以上が経った今、片寄涼太は、あの頃予想もしなかった形で世界と繋がっている。

1:https://fujinkoron.jp/articles/-/1323
2:https://withonline.jp/people/ent-encounter/7EYYd
3、4:https://hochi.news/articles/20171222-OHT1T50120.html
5:https://www.vivi.tv/post83299/
6:https://news.livedoor.com/article/detail/15387014/
7:https://times.abema.tv/news-article/8637021

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter(@stmdr38)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる