『坂道テレビ』第3弾放送直前におさらい 乃木坂46、櫻坂46、日向坂46……3グループの現在地

歌にバラエティに「躍進」続ける日向坂46

 日向坂46の2020年を言い表すなら「躍進」という言葉がピタリとハマるのではないだろうか。2019年に初の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)の舞台を踏み、トップアイドルの仲間入りを果たした彼女たち。翌年の1月からはドラマ『DASADA』(日本テレビ系)にメンバー全員が出演し、注目度はさらに増していった。

 昨年は2月の4thシングル『ソンナコトナイヨ』リリースを経て、9月には満を辞して1stアルバム『ひなたざか』を発売した。復帰した影山優佳、新3期生の髙橋未来虹、森本茉莉、山口陽世も参加した、22人にとっての初めての作品だ。

 アルバムのリード曲「アザトカワイイ」でセンターを務めた佐々木美玲は人一倍成長を遂げたメンバーではないだろうか。元々ライブでは表現力の高かった彼女だが、バラエティ番組ではなかなか大きな爪痕を残せずにいた。しかし、持ち前の明るさを生かし、冠番組『日向坂で会いましょう(以下:ひなあい)』(テレビ東京)の「第2回ぶりっ子選手権」では見事殻を破り爆笑をかっさらった。その後も安定した活躍を見せ、数多くの外番組で視聴者にハッピーオーラを届けている。『紅白歌合戦』のステージでもセンターポジションを経験した。今後もグループをけん引する中心メンバーとして活躍してくれることだろう。

日向坂46 『アザトカワイイ』

 シングル表題曲の全てでセンターを務めている2期生の小坂菜緒も素晴らしい活躍を見せた。『DASADA』で演じた佐田ゆりあは小坂とはかけ離れた超ポジティブ志向で一見、世間に流されるお馬鹿さんというキャラクター。しかし小坂はこの役を見事に演じ切って見せた。公開延期となっていた出演映画『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』も5月7日の封切りを予定している。今後演技で学んだ表現力は必ず小坂の大きな武器となるはずだ。

 そして触れないわけにいかないのが日向坂46の圧倒的なバラエティスキル。ここ最近の外番組での需要増も納得の流れだ。キャプテン佐々木久美と加藤史帆の『ひなあい』を率先して盛り上げる姿は見ていて感動すら覚え、2期生渡邉美穂と富田鈴花もそれに続く存在として期待が出来る。

 2020年にはバラエティの面をけん引した井口眞緒が卒業した。メンバー一丸となって坂を登る日向坂46からの2人目の卒業生。“やはりいつかはアイドル人生にも終わりが来る”ということを痛感させられた一件だった。

 ただここ最近では9月から療養のため活動を休止していた松田好花が復帰を果たすというハッピーなニュースもあった。『ひなくり2020』では“22人でライブを作る”ことにこだわり、活動休止中の宮田愛萌が開演前の影ナレを担当した。どんな状況になっても、全員で前に進もうとする、それこそが日向坂46の魅力なのだ。

 2020年は夢だった東京ドーム単独公演が残念ながら延期となった。しかし今年こそ“約束の卵”でハイタッチして喜び合う22人を見せてくれるはず。そして今後も彼女たちの躍進は続いていくはずだ。

■中山洋平
1983年生まれ。フリーランスの編集・ライター。ボウリング、洋服、ギター、サウナ好き。Twitter

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