『4EP1』インタビュー
どんぐりず、地元・群馬で“何にも縛られず”音を鳴らす理由 「4EP」シリーズに込めた遊び心と表現意欲
「強みは“界隈に属していないところ”」
ーー逆に、今のどんぐりずならではの強みとか魅力ってどんなところだと思いますか?
チョモランマ:これは俺の意見なんですけど、まだイメージが固まっていないところかなと思います。あと、界隈に属していないところ。
森:うん、それはある。
チョモランマ:だからこそ、何にも縛られずにできる感じがあるなと思います。
森:あと、ルックスがいい感じですよね。バランスが。
チョモランマ:「バランスが」じゃないでしょ(笑)。
ーー確かにバランス感は絶妙だと思います。その「界隈に属していない」ということに関して、意識して距離を置いている感じはあるんですか?
チョモランマ:「界隈」みたいなものーー例えば、日本の同世代のラッパーのシーンとかあるじゃないですか。そこに憧れたり追っかけたり、声を掛けたりはしていないし、自分らもそういうところは意識していないんです。同時に、誰も僕らに近づいてこないんですよね。属していないとはいえ、友達は欲しいんですよ。でも誰も来ない......。
ーー変なしがらみとかが増えるのは良くないと思いますけど、今後ふとしたきっかけでフィーチャリングのオファーが来ることもあるかもしれないですよね。お二人は、曲作りのペースは速い方ですか?
チョモランマ:遅いんですよ。デモの状態からかなりいじくり回してでき上がることが多いので、考えすぎたり修復したりを繰り返しています。
ーー「マインド魂」とか顕著ですけど、1曲の中にいろんな展開があったり、いろんなエフェクトを足してみたりしているじゃないですか。そういう細かいエディットはどうやって決めているんですか?
チョモランマ:「ここはもっと縦ノリがあったほうがいいね」とか、「もうちょっと爽やかさをなくして深い感じにしよう」とかを二人で話し合いながら作っています。
ーーなるほど。森さんも、どんなトリッキーなビートにもしっかりラップを乗せているじゃないですか。ラップしやすいビートに対するこだわりとかはありますか?
森:あんまり気にしたことないですね。1回聴いて「お、いいね。楽しい!」と思ったらそのまま歌詞が書けます。俺はフロウから歌詞を考えるんですけど、まずは響きですね。意味よりも言葉の響きの方が大事。例えば、EPに入っている「NO WAY」は最初にベースとドラムだけのループをもらって家で作っていたんですけど、そのトラックを30分くらいずっと聴いているとマジで頭がおかしくなってきて。どっちが裏か表かもわからなくなってきたんですけど、それが楽しかったですね。結構テンション上がっちゃって、そのまま歌詞を書きました。
ーー2020年の春からビクターエンタテインメントの新レーベル<CONNECTUNE>に所属して活動していますよね。完全に二人で自主制作していた時と比べて、環境や気持ちの上での変化などはありましたか?
チョモランマ:個人の気持ちの問題なんですけど、俺は最近ようやく慣れましたという感じです。状況の変化に対して自分を変容できない時期があって、2020年は結構そういう感じでした。レーベルに所属してすぐ、今まで二人でやっていた感じとチームでやる感じの違いが生まれたし、加えてコロナの影響もあって大きく環境が変わったことに戸惑ったんです。でも今、ようやくシフトできて、チームで動いていくことにも慣れました。
ーー今後のどんぐりずのビジョンや方向性について二人で話し合うこともありますか?
森:たまに話すかな?
チョモランマ:最近、海外に行きたいっていう気持ちが出てきました。
森:ツアーとかやってみたいですね。
チョモランマ:アルバムを作るプロジェクトも面白いですけど、今回の「4EP」連作プロジェクトに関しては、これはこれで結構面白いんじゃないかなと思っていて。あまりない例だと思いますし、「何これ?」みたいな感じで興味を持ってもらえればいいなと思います。
ーー『関ジャム 完全燃SHOW』で取り上げられた事象も相まって、またすごい勢いでファンが増えそうですよね。
チョモランマ:そうなるといいですけどね。頑張ります!
■リリース情報
どんぐりず『4EP1』
2021年2月3日(水)配信リリース
ダウンロードはこちら
<収録曲>
01.Take a chance!
02.E-jan
03.ジレンマ
04.power slide
05.NO WAY
06.ワナワナワナ