ひらめ、SNS発アーティストの中でも際立つポテンシャル ソングライティング力が飛躍の鍵に
また使う言葉が個性的なだけでなく、歌詞の設定や内容も個性的だ。「君にチューしたい」は身長差があるカップルの青春を切り取ったような内容。少女目線の歌詞だが登場人物の性格や関係性が十二分に伝わって感情移入できる仕組みになっており、まるで少女漫画のような世界観を音楽で表現しているのだ。その内容には思春期特有のリアリティを感じる。歌詞と同じような経験をした人も少なくないだろう。「既読無視」は片想いの少女の目線の歌詞だが、こちらもLINEの既読無視をテーマに歌詞を構築するという、誰もが共感してしまうようなリアリティある内容。それをオノマトペや可愛らしい表現の歌詞で表現している。
ひらめはリアリティある内容をファンタジーに感じる言葉で表現し歌うことで、他のシンガーソングライターとは違う個性的な音楽を作っている。彼女がバズったことは偶然ではなく、才能や個性による必然なのだ。
2020年は時の人となったひらめ。実は本格的に活動を開始したのも2020年で、活動開始後すぐにバズったアーティストである。まだ活動開始から1年も経っていないのだ。まだ伸び代はあるはずだし、まだ隠れた才能が眠っているかもしれない。TikTokで流行ったアーティストとしてだけではなく、一人のシンガーソングライターとして今後も注目すべき逸材だ。
■むらたかもめ
オトニッチというファン目線で音楽を深読みし考察する音楽雑記ブログの運営者。出身はピエール瀧と同じ静岡県。移住地はピエール中野と同じ埼玉県。ロックとポップスとアイドルをメインに文章を書く人。
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