BALLISTIK BOYZ、世界的プロデューサー迎えた『Animal』 ダンス&ボーカルのスキルが詰まった充実のシングルに
歌に特化した4人、ラップに特化した3人の計7人で構成されたLDH所属のダンス&ボーカルグループ・BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEは、結成当初からスキルフルなグループとして知られていた。世界進出という明確な目標を持つ彼らは、初のワンマンツアーがわずか3公演で中止となった昨年春の緊急事態宣言下にもその歩みを止めることなく、全員が作詞作曲の技量を身につけることも視野に入れ、一人ひとりが楽器演奏と楽曲制作の知識を深めることを選択。2020年末の配信ライブ『LIVE×ONLINE BEYOND THE BORDER』ではその成果としてバンド形態での演奏、また既存楽曲にピアノ演奏を含んだアレンジパートを盛り込んで披露するなど、着実な進化を遂げてみせた。
そんな彼らの2021年最初の作品となるシングル『Animal』が、2月3日にリリースされた。
表題曲「Animal」は、レディー・ガガ、ケイティ・ペリー、カーリー・レイ・ジェプセンなどの楽曲にも参加しているDJ/プロデューサーのCory Enemyがプロデュースした1曲。序盤のミニマルなビートと感情を揺さぶる特徴的なシンセ音、そして徐々に酔いしれるように音像が深まり、砂田将宏の美声を活かしたサビに到達する流れは特に心地良く、中毒性の高いリフレインとなっている。ボーカルラインでは、これまで強い個性を前面に出して存在感を発揮することが多かった日髙竜太が、砂田とともに繊細なフェイクをきかせた高音のファルセットを披露している点が特に印象的だ。さらに2コーラス目からメインとなる深堀未来と加納嘉将のパートにおける甘く囁くようなウィスパーボイスは、1コーラス目との対比となり非常にドラマチックに聴こえる。そしてこの曲では、MC陣3人も歌メロに近いフレーズを担う。フロウの安定感が魅力の海沼流星と奥田力也はそのハスキーな声色を活かしながらもオートチューンに映える歌声を聴かせ、太く力強い声が特徴の松井利樹はダウナーで色気のあるフロウで魅せる。それぞれ新たな一面が見られる、充実の構成となった。
また、リリースに先立って公開されたMVでは、各メンバーが初の演技パートに挑戦。一人の女性と関係を深める様子を収めた演技パートと、対照的にクールな白衣装が映えるダンスパートは、いずれも従来の若々しくアグレッシブなイメージからの成長を感じさせられる。さらに、楽曲内で表現される“官能的な性愛”の世界観についても、MVではまるで“一瞬だけの幻想”であったかのような演出で締められており、それが曲の解釈を広げるための程良いバランスを保っているように感じられた。
なお、ダンスは深堀が振付を担当しており、これまで以上に細部までの一体感を必要とする高難度のものとなっている。そういった点も含め“全員が歌って踊れるグループ”としての実力を示す上で、この「Animal」のリリースは必然かつ必須であったのではないかと思う。