東方神起 ユンホ、「Thank U」MVで表現した“ノワール”の世界 「Eeny Meeny」では異なる表情も

 とは言え、「Thank U」は暗い曲ではない。リズムは軽快で、ダークとポップを織り交ぜたような感覚の曲だ。それによりただ単に暗くじめじめしたノワール映画、というイメージは持たない。それがこの映像がMVとして存在する意味なのではないだろうか。

 ノワールの世界に、ユンホの息を吹き込む。そうすることで独自のイメージを構築し、ユンホだけのノワールを確立しているように感じられる。

 ここまでアルバムのタイトル『NOIR』の世界観を表現した曲が、なぜ「Thank U」というタイトルなのか。この曲で“thank you”というフレーズが登場するのはサビの部分。〈Thank you for diss〉〈Thank you for diss like me〉と、感謝というより皮肉っぽい歌詞だ。なかなか結びつかない「ノワール」と「Thank U」だが、歌詞の意味を知ればお礼のフレーズがどこかダークな意味を持つことに気づくことができる。一見リンクしない世界観だが、歌詞を踏まえて見てみるとうまく歌詞の世界観がMVで表現されていることに気付かされるのである。

 今まで白い衣装を着れば“王子”のような印象だったユンホ。その白も今回のMVではいつもと違った印象になる。相手に復讐した、その血を見せつけるためかのようなハッキリとした白。それはまるで、世の中のヘイトですら味方につけてしまうスーパースターかのよう。

 自己を確立した強いユンホの姿、心意気、そして彼の意気込みや決意を楽曲からMVまで全てを駆使して表現しているのかもしれない。

 続く形で1月25日に公開された「Eeny Meeny」のMVでは、「Thank U」とはまた違ったユンホの表情を見ることができる。Red Velvetのスルギが参加したことでも注目を集めている。こちらは映画のワンシーンのような鮮やかな映像と、ユンホのダンスシーン、「Thank U」では見られなかったやわらかい笑顔が魅力的だ。

U-KNOW 유노윤호 ‘Eeny Meeny’ MV

 一つのアルバムに収録されている、全く違った表情のMV。しかしどちらからも同じ、ユンホの本気度が伝わってくる。今作を通じて、ファンたちは彼の新たな魅力を見出したはずだ。

■フルヤトモコ
1999年生まれの大学生。韓国のカルチャーと洋楽、本、映画など。
東京藝術大学 音楽環境創造科在籍。

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