DEEP SQUAD メンバー分析【入門編】Vol.4:比嘉涼樹

DEEP SQUAD 比嘉涼樹、繊細な息遣いが魅力の色気溢れるボーカル 多方面な趣味と感性でグループの幅を広げる存在に

 挫折を経験しながらも夢を諦めず、さらに「オーディションがゴールじゃない」と語る彼だからこそ、同じような想いを抱えながら活動を続けてきたオリジナルメンバーが作詞し、「これまでの僕たちの歴史やDNAを引き継いでほしいという想いから、既存曲の歌詞やタイトルを入れた歌詞を書きました」(引用:変幻自在のボーカリスト集団・DEEP SQUADが語る、デビューシングル『Get With You』に込めた想い)という「Get With You」(オーディションの課題曲)がとても似合う。そして、DEEP SQUAD結成からちょうど1年後となる2020年7月22日、シングル『Get With You』でメジャーデビューを果たした。

DEEP SQUAD "Get With You"ミュージックビデオ

 変幻自在のエンタテインメント集団・DEEP SQUADは、コーラスグループでありながら、一人ひとりが実力派ボーカリスト。そのため、通常コーラスグループというと、主旋律を歌うリードボーカルと副旋律を歌うバッキングボーカルに分かれているが、1曲の中で主旋律を歌う人が次々に切り替わり、各メンバーの歌声をたっぷり堪能できるところが彼らの魅力だ。その中で比嘉は、息遣いが感じられるような色気のある歌声と、雰囲気作りに長けたボーカリスト。その才能を評価されているからか、Aメロを歌うことが多く、「そこで皆さんの心をキャッチしなきゃと心がけています」(引用:DEEP SQUAD、6人が一つになった新曲「Good Love Your Love」を語る 「この年齢差をチームの強みにできたらいい」)とのこと。KEISEIからは「Aメロ職人」と呼ばれている。また、コーラスに関しては、ローパートを任されることが多いそうで、たとえば、あいみょんの「マリーゴールド」をカバーした動画では歌い出しのローパートを担当している。

あいみょん / マリーゴールド by DEEP SQUAD

 『DEEP VOCALIST AUDITION』の合宿まではボーカルレッスンを受けた経験がなかったそうだが、素直にアドバイスを受け入れ、着実に技術を自分のモノにしてきたのだろう。他のメンバーの歌声に寄り添いながらも、自分らしく歌いこなしている。なおかつ、プロのボーカリストになったことで、「もちろん上手ければ上手いほどいいんですけれど、それよりも聴いた人の心に残るような、聴いた人に伝わる歌を歌えるようにしようと、考えが変わりました」(引用:変幻自在のボーカリスト集団・DEEP SQUADが語る、デビューシングル『Get With You』に込めた想い)とも語っており、実際、歌声と共にその歌詞の感情や情景が鮮明に伝わることが、彼の持ち味となっている。

 沖縄出身のLDHアーティストというと、マイペースな自由人キャラのメンバーが思い浮かぶが、比嘉の性格は、新メンバーの中では最年長ということもあり、わりとしっかり者(時々、天然)。年下の宇原や杉山を“天然”扱いしたり、逆にちょっかいを出されたりという、兄弟のような関係性が微笑ましい。ファッションが好きで、奇抜な髪色に多めのピアスという攻めたビジュアルも、これまでのDEEPにはなかった要素だ。また、冒頭でも紹介した通り、野球好きで、現在はKEISEIと共にLDHの草野球チーム「中目黒リュージーズ」(CLで配信中)として活動中。その反面、「僕はアニメや漫画が好きで始めるとずっと食事をすることも忘れてしまうんです」(引用:TOKYO HEADLINE)と語るほどの漫画・アニメ好き。その可能性は未知数で、今後、さまざまな分野での活躍が期待される。沖縄特有の“指笛”を得意としている“次世代琉球アーティスト”は、個人活動はもちろん、DEEP SQUADの音楽性にも新たな風を吹かせてくれそうだ。

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38

関連記事