ジャニーズ事務所が発表した「22歳定年制度」 Jr.の在り方はどう変わるか
これまで、ジャニーズJr.は非常に曖昧な存在だった。所属タレントとして契約するわけではないし、人数もたくさんいるので、オーディションに受かって一度コンサートに呼ばれても、次があるかどうかは分からない。逆に、経験がないままステージに上げられ、何が何だか分からないままにマイクを持たされるJr.もいる。
そのようなやり方で長年やってこれたのは、ジャニー喜多川氏の直感があってこそだ。光GENJI、SMAP、嵐など、一代で何組もの国民的アイドルを生み出してきたジャニー氏の天才的な直感とセンスによって、ジャニーズ事務所は大きくなった。
今のジャニーズ事務所は、ジャニー氏のひらめきがあって高く積み上がった、高層ビルのようなものだ。時には強引な判断と思いつきでどんどん積み上げていくものだから、ビルはいびつな形のまま、絶妙なバランスで立ち続けている。それを、誰が見ても安定感のあるビルになるように、残された人々が、きちんとした建築法に基づいて立て直している途中……というのが、現在のジャニーズ事務所に対する印象である。
2019年にJr.のプロデュースをおこなう子会社「ジャニーズアイランド」ができたのも、今回の「22歳定年制度」も、その立て直しの一環なのだろう。これらのJr.にまつわる「改革」が、良いことなのか悪いことなのかは、今すぐには分からない。10年くらい経って、今よりもジャニーズ事務所が栄えていれば、そこで初めて成功と言えるだろう。
現在、ジャニーズJr.としてデビューに向けて頑張っている若者たちが、少しでも多く報われるように。そう願いながら、「定年制度」の行く末を見守っていきたい。
■みずさき
ライター。アイドルを中心にエンタメ系記事の執筆を行う。
また、アラサー女性4人組サークル「劇団雌猫」として執筆、イベント業も行なっている。
最新刊『本業はオタクです。 シュミも楽しむあの人の仕事術』が発売中。
Twitter:@samizusaki