平手友梨奈、「ダンスの理由」MVに描かれた彼女が背負うストーリー “太陽”と“月”で表現されたメッセージ性を読み解く
これは推測の域を出ないが、平手が表現しているのは月ではないだろうか。〈その光はどこを照らしてるのか?/遠い場所から希望は見えているのか?〉という冒頭の歌詞に、やがて「The Sun」と反転していく平手の踊り。かつて、SEKAI NO OWARI「スターゲイザー」のMVで、満月をバックにダンスを踊ったこともあった。そんな孤独の象徴である月=平手が、大サビでは自ら「The Sun」の前に出て激しくパフォーマンスする。〈誰かの悲しみを癒す/その一瞬のために夢のようなターン決めよう〉と歌うのは、観ている人を救うため、〈あの頃の私〉を救うためだ。
驚くのは、MVのコメント欄には各国から賞賛の声が寄せられていること。平手が背負うストーリー性を抜きにしても、彼女の表現するパフォーマンスには言語の壁を越えたメッセージが宿っているということになる。平手は今後、年越しの『CDTV ライブ!ライブ!年越しスペシャル 2020→2021』(TBS系)に出演予定。彼女が抱えるファンダムの領域から、また次のフィールドに進む時期は近いだろう。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter