ジャスティン・ビーバーと信仰の関係性(2) 最愛のパートナー、ヘイリー・ビーバーとの出会い
(ジャスティン・ビーバーと信仰の関係性(1) 福音を授かり、新たな時代迎えたポップスター より続く)
「Holy」で歌われる生まれ変わる瞬間、そして妻・ヘイリーへの高ぶる想い
そのようなヒルソング教会のサポートを受け、信仰を取り戻し、生まれ変わって新たな人生を迎えた自分自身の姿、そして最愛のパートナーであるヘイリー・ビーバーへの愛情を表現したのが、彼の「新たな時代」を告げる「Holy」である。
冒頭のヴァースでは、罪を重ねた自分自身の姿と、洗礼によって生まれ変わろうとする姿が描かれる。
「罪を抱えた人たちの話を沢山聞いている。自分が聖人になれるだなんて思っていないよ。でも僕は川へ下りても良いのかもしれない。だって、僕たちが触れれば天が開けて、そう、こう言いたくなるんだ。(〈I hear a lot about sinners. Don't think that I'll be a saint. But I might go down to the river. 'Cause the way that the sky opens up when we touch. Yeah, it's making me say.〉)」
ここで言う「川へ下りる」とは、キリスト教における洗礼の儀式を意味しており、川の中で"罪を告白し、罪を抱えた自分が死に、新たな命へと生まれ変わる"というプロセスを指している(参照)。また、「僕たちが触れれば天が開けて」という部分についても、新約聖書中の一書である「ルカによる福音書」3章21節及び3章22節における洗礼と関わる内容からの引用を確認することが出来る。(ちなみに最近ではレディー・ガガとアリアナ・グランデの「Rain On Me」などでも近い現が見受けられる)
洗礼を経て生まれ変わったジャスティンは、ヘイリーと出会ったことの喜び、そして大きく高ぶっていく感情をコーラスで強く歌い上げる。彼は、ヘイリーに抱きしめられた時の感情をタイトルにもある"Holy=神聖"と表現する。彼にとって、ヘイリーこそが神からの贈り物である、そのような想いを見て取ることが出来る。
「君にそうやって抱きしめてもらえると、すごく神聖な気持ちになるんだ。陸上競技のスター選手のように、祭壇へと走っている。もうこれ以上待つことなんて出来ないんだ。(〈That the way you hold me, hold me, hold me, hold me, hold me, feels so holy, holy, holy, holy, holy on God. Runnin' to the altar like a track star. Can't wait another second.〉」
ここでいう「祭壇」は結婚式の場所である教会の祭壇を指している。ヘイリーと過ごす日々の中で、強烈な結婚願望を抱き、全速力でチャペルへと向かっていくジャスティンの姿を想像すると非常に微笑ましい。そして、これは二人の恋愛関係において実際に起きた出来事でもある。