THE BACK HORN、1年ぶりの有観客ライブ『マニアックヘブン Vol.13』 “バンドの核”と“未来への希望”をかき鳴らした一夜に

THE BACK HORN、1年ぶりの有観客ライブ『マニアックヘブン Vol.13』 “バンドの核”と“未来への希望”をかき鳴らした一夜に

 THE BACK HORNが12月6日、東京・新木場STUDIO COASTで『マニアックヘブンVol.13』を開催した。

 『マニアックヘブン』はTHE BACK HORNのメンバー自らが企画・演出を手掛けるスペシャルイベント。2005年の初開催以降、選曲から演出まで“マニアック”に構成される内容が人気を集めている。今年は新型コロナウイルスの影響により、有観客(ファンクラブ限定)&オンラインによる開催。このイベントに関して松田晋二(Dr)は「会場で、オンラインで、皆さんに『マニアックヘブン』というTHE BACK HORNのコアなライブを思う存分楽しんで頂けるよう、引き続き準備を進めて参ります」とコメントしていたが、その言葉通り、“2020年のTHE BACK HORN”をディープに堪能できるステージが繰り広げられた。

山田将司

 最初に画面に映ったのは、“マニアックヘブン”のバックドロップとフロアに置かれた椅子に座っている観客。「我々、THE BACK HORN一同、みなさんを心から歓迎します。心ゆくまでマニアックな時間を楽しんでください」というメンバーの加工された声に導かれ、不穏な雰囲気のSEが流れるなか、メンバー4人が手を振りながらステージに登場。オープニングは「フラッシュバック」(シングル『ブラックホールバースデイ』収録/2005年)。松田が繰り出すタイトなビート、岡峰光舟(Ba)による濃密なベースライン、菅波栄純(Gt)の鋭利なギターサウンドが絡み合い、レゲエとグランジが混ざり合うようなアンサンブルが立ち上がる。〈死にぞこないたちのパレードは続くよ〉と叫ぶ山田将司(Vo)のボーカルも強烈だ。

 さらに、ゆったりとしたビートとハードコア的音像が交互に訪れる「カラス」(インディーズ1stアルバム『何処へ行く』収録/1999年)、高揚感溢れるサウンドのなかで叙情的なメロディと悪夢のような歌詞が響く「ダストデビル」(アルバム『運命開花』収録/2015年)を披露。観客は無言のまま、手を挙げ、身体を揺らしながら4人の演奏に反応していた。

松田晋二

 「声は出せないけど、みなさんの想いは伝わってきます。音楽最高、ライブ最高ということを証明する夜にしたいと思っています」と、松田がこの日のライブに対する想いを口にした後も、“マニアック”な楽曲が次々と演奏される。

菅波栄純

 ロカビリーを想起させるイントロから始まる「野生の太陽」(アルバム『心臓オーケストラ』収録/2002年)では、ベース、ギターのエッジの効いたフレーズと〈壊せ 誰かが作った未来はいらない〉というフレーズが共鳴。「プラトニックファズ」(アルバム『イキルサイノウ』収録/2003年)では、和の情感を讃えた旋律、ダークな音像、菅波の“語り”によって、演劇的なムードを作り出す。さらに「人間」(アルバム『パルス』収録/2008年)では、人間の原罪をモチーフにしたリリックが響き渡り、「再生」(アルバム『アサイラム』収録/2010年)では、ヘビーなギターリフとともに〈何度でも歩み出せ 傷ついたその足で〉というラインが響き渡る。幅広い音楽要素を取り入れながら、神話的とも言える世界観を描き出すステージは、THE BACK HORNの最もディープな表現に結びついていた。

 シリアスな雰囲気から一転、MCでは穏やかなトークが繰り広げられた。「久しぶりのライブでテンション上がりすぎて、ケツが攣った」と山田が笑うと、岡峰が「お客さんが(目の前に)いないと使わない筋肉ってあるよね」と答える。約1年ぶりの“有観客”のライブに対して岡峰は、「だいぶ感覚が違う。今までは厨房で料理を作って出してた感じだけど、今日は一緒に味わってる感じがする。“俺らの曲、けっこう美味いね”っていう」と話すと、客席から拍手が巻き起こった。

岡峰光舟

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