KinKi Kidsは、変わらず“愛”を歌い続けるーーアルバム『O album』への期待高めた堂本光一の言葉

 11月23日放送の『KinKi Kidsどんなもんヤ!』(文化放送)に堂本光一が登場。12月23日にリリースされる最新アルバム『O album』より「彗星の如く」を全宇宙のラジオ局に先駆けて初オンエアした。

KinKi Kids

 『O album』は、「『A album』からスタートして、A、B、C、D、E、F、G、H、I……Φもはさんで、J、K、L、M、Nときて『O album』」と堂本光一が話した通り、通算16枚を数える最新アルバム。前作から実に4年ぶりということもあり、まさにファン待望の新作だ。

 意外だったのは堂本光一自身が「4年ぶりだって!」という声を上げていたこと。なんでも「これの制作自体はですね、2月とか? え、2月じゃない? もっと前からやってたんじゃない? …あ、2年前? 2年前からやってたっけ!」と驚きの事実が発覚する。

 KinKi Kidsは表に出ない仕事も含めて、継続的にレコーディングを行なっているそうで、「今日も、今もなおレコーディングスタジオの前室(での収録)ですからね」と続け、「“この曲、何で使われるんやろな〜”とか思いつつレコーディングしたりもしてたりするし、“時期がくればアルバムに入るのかな〜”と思いながら、レコーディングしてたりもするし」というから、さらに驚きだ。妥協知らずなKinKi Kidsが、4年の年月をかけて仕上げた『O album』……そう思うと、より一層期待せずにはいられない。

 KinKi Kidsにとって、この4年はデビュー20周年を迎え、40代への仲間入りするなど、2人にとって節目の多いタイミングだった。そして、堂本剛の突発性難聴の発症、恩師・ジャニー喜多川氏との別れ……と、世界が大きく変わった時期でもあった。人生における、避けようのない苦悩や悲哀に直面するたびに、2人はしなやかに受け止め、音楽とパフォーマンスで昇華していく強さを見せてくれた4年でもあった。

 堂本剛が歌い、堂本光一が踊る新スタイルを確立させた「The Red Light」。改めて互いの信頼を確かめ合うように共作された「Topaz Love」。大型ステージでのコンサートを中止せざるを得なくなったときにファンを支えた「会いたい、会いたい、会えない。」。そして年齢を重ねるごとに手に入ったものとこぼれ落ちていったものを噛みしめるように歌った「光の気配」。そして、ジャニー喜多川氏がKinKi Kidsの前に名付けてくれた思い入れのあるネーミングを歌にした「KANZAI BOYA」。

 5曲のシングル曲がアルバムに収録されるのも珍しい展開。きっと、それだけこれらの楽曲は、この4年間のKinKi Kidsにとって、欠かせない楽曲たちだったということだろう。そして、ラジオから聞こえてきた「彗星が如く」は、さらに進化したKinKi Kidsを印象づけた。腹に響く力強いベース音に、電子的なサウンドが絡みつく。そのどこか懐かしい感じは、かつて想像していた「未来」というイメージに近いからだろうか。

 世の中は、思いもよらぬ世界になった。キレイごとでは生きられない社会になり、温かな過去の時代に帰ることもできない。あのころは輝いて見えた「未来」が、厳しい現実の「今」であるという憂いの中、KinKi Kidsは変わらず愛を歌う。その不変的なメッセージを発することができるのは、長年共に歩んできたプロデューサー・堂島孝平による楽曲であるところが大きいように感じる。

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