嵐 大野智の生まれた日に振り返る、充実したこの一年 歳を重ねるごとに増す、自然体な魅力について

 もはやファンの間でも恒例となった「お母さんいつも産んでくれてありがとう」の一言と、笑顔が見られるであろう日を迎えた。言わずと知れた嵐のリーダー・大野智の40回目の誕生日。今年も世界が「産んでくれてありがとう」「生まれてくれてありがとう」の声で埋め尽くされる1日だ。

 そんな彼の記念すべき日に即して、今日までの彼の一年間の活動を振り返るとともに、改めてその魅力について語らせてもらいたい。

 39歳を過ごしたこの一年の大野を語る上で欠かすことのできない大きなキーワードは、やはり「ソロキャンプ」と「個展(=『FREESTYLE 2020』)」ではないだろうか。レギュラー番組『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)での企画にて、キャンパーとして再注目されている芸人・ヒロシとの共演がきっかけでソロキャンプの魅力に目覚めたという大野。以前から釣りが趣味と公言していることからも伝わってくるように、一人で黙々と自然に向き合う時間を好むであろう彼にとって、フィールドは違えど、同じように自然と一対一で向き合うソロキャンプはうってつけの趣味だったのではないだろうか。

 もともと筆者は、彼の泰然自若とした魅力を支える一因はこの「自然との共存」にあると強く感じていた。いつも自然体で、ハプニングやドッキリにも動じることなく、どっしりと構えたおおらかな空気を常に纏っていることが、彼の大きな魅力であり、嵐のリーダーとしての資質も示しているように感じていた。そして、それを支えるのはやはり、このようなアウトドアを通じて「本物の自然」の中に身を置き、人知の及ばない世界と対話することが大きな核になっているのではないだろうか、と。彼の新たな趣味、ソロキャンプは、彼が本来備えていたその魅力を、さらに増大させ、味わい深く醸し出すためにふさわしいきっかけだったように思う。

 それと同時に、クリエイティブな面も、今回で実に3回目の個展となる『FREESTYLE 2020』で、余すところなく発揮されていた。アートに詳しくない筆者の語彙力では説明し尽くせないのが大変悔しいところだが、彼の中に詰まった宇宙の一端が色や形となって世界に顕現されたかのような、不思議なパワーを放つ作品群が並ぶ個展であった。

 『FREESTYLE 2020』のタイトル通り、とにかく自由な発想で作られていることがビシバシ伝わってくる作品が印象的だ。彼の作風を代表する黒人をモチーフにしたモニュメントのように具体性を持った作品もあれば、ただ平面をさまざまな線が埋め尽くす抽象的な表現もあり、その手法も立体・平面を問わず、最終的には身体・映像までも作品として扱うなど、とにかく一つ一つに「作りたい」「表現したい」という衝動が詰め込まれていた。

 さらに彼らしくユニークなところが、この個展のお土産として、オリジナルのカレーレシピを用いた「智のカレーパン」を販売することで、幼少期からの夢だった「パン屋になる夢」を見事叶えた、というエピソードだ。個展の物販として「カレーパン」というのは、なかなかすぐに思い浮かぶ発想ではないが、彼にとってはカレーも大きな意味では「作品(創作)」の一つであるからこそ、そのようなアイデアが生まれたのだろう。

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