Ryohuが語る、音楽家として目指すジャンルレスな存在 メジャーデビュー作で向き合った“自分自身”を表現するということ

Ryohuが語る、音楽家として目指すジャンルレスな存在 メジャーデビュー作で向き合った“自分自身”を表現するということ

自分の立ち位置や役目を重視した 

ーー今回、初回限定盤として、くるり「ばらの花」(2001年)、LOVE PSYCHEDELICO 「LADY MADONNA 〜憂鬱なるスパイダー〜」(2000年) 、FLYING KIDS「幸せであるように」(1990年)と、同レーベルを代表するアーティストの名曲をサンプリングして制作した新曲を収録したCDも封入されると伺いました。改めて、稀代の名曲をサンプリングした感想は?

Ryohu:まず、オフィシャルでサンプリングできるってすごいことだよな、と。リスペクトを持って向き合いました。20〜30年前の楽曲なので、今のシーンの子は知らないかもしれない。例えば、僕の曲がきっかけで「この曲、いい感じだけど元ネタがあるらしい」ってオリジナルの楽曲にたどり着いてもらえればと思っていて。逆に、この3曲を知っている人が、僕の曲を聴いてヒップホップって何だろうって興味を持ってもらえたら嬉しいし。アルバム本編は自分と向き合う作業でしたけど、たーたんのエピソードと同じく、音楽って自由なんだよね、ということを体現したくて作りました。

ーー『DEBUT』を聴いて、デビューアルバムにして、まさにこれまでの活動の集大成というくらいの意気込みを感じました。そもそも、タイトルもすごく潔いですよね。

Ryohu:アルバムを出すなら『DEBUT』にしようって、二十歳そこそこの時からずっと考えていて。ふと、そのことを思い出して「あ、それでいいや」って。今回、改めてファーストアルバムにふさわしい内容になったなと思っています。「あそこはもっと、こうしておけばよかった」っていう気持ちは若干ありますけどね。

ーー冒頭にも教えてくれたとおり、アルバムそのものが、Ryohuさんの人生を振り返るような、まるで一緒にアルバムのページをめくっているような内容ですよね。「GMC」では〈YB と BR は今じゃ KANDY〉というフレーズもあって、KANDYTOWN以前の、それぞれのクルーのことにも触れているし、「Anytime, Anywhere, Anyone」ではSuchmosの名前や、過去の作品のタイトルも出てくる。

Ryohu:結果的に、自分の中の歴史じゃないですけど、音楽家としての自分や、「Ryohuってどんな人?」というテーマが、ざっくりアルバムとして仕上がっているかなと思っています。それが“DEBUT”というタイトルと紐づいて、ここから先のことまで見えるアルバムになっていると思うんです。「Eternal」とかでも言ってるんですけど、友達や家族って、ずっと今まで長い間一緒にいて本当に大切だし、その関係は永遠だなと思う一方で、素晴らしいものだからこそ、近すぎると光って眩しくて見えなくなる。当たり前になって慣れてきちゃう部分もあると思うんです。それに、本当の意味で、いつかは無くなってしまう存在ではあるけど、それでも永遠だと思えることこそ素晴らしいなと思って。(このアルバムの制作期間は)ちゃんと立ち返るタイミングだったなと思いました。いろんな物事に対する自分の気持ちをきれいに考え直していく時間だったのかなと思います。

ーーRyohuさんは、KANDYTOWNのメンバーの中でも、ズットズレテルズとしての活動や、Base Ball Bear、ペトロールズといったバンドへの客演歴もあって、ユニークな立ち位置だと思うんです。今回のアルバムも、参加しているプロデューサー陣の豊かさも相まってとても柔軟なヒップホップサウンドが構築されていると感じました。制作していく上で、ジャンルとかヒップホップらしさとか、そういうことは意識しましたか?

Ryohu:今回は、自分の内情を出すというのがテーマだったので、情というか、ハートに響くようなサウンドを意識しました。表面的にしびれるだけじゃないというか、伝えることに意味を持たせるための曲作りを目指して、それが結局、自分らしさになったと思っています。外の人がどう思うかとか、そういったことは全く意識しませんでしたね。

ーー今作をきっかけに、Ryohuさんの作品がこれまでよりも広くいろんな方に聴かれていくんだろうなあと想いながら、どこか感慨深い気持ちで聴いていました。

Ryohu:そうなったらありがたいですね。それが全てでは全然ないんですけど。これから、たくさんの人の前でもどんどん披露したいし、逆に10人くらいのオーディエンスの前でも演奏していきたい。そういうところは忘れずにいきたいですね。このアルバムは、KANDYTOWNの仲間からも、改めて「いい作品だね」って言ってもらえて本当に嬉しいです。“Ryohu”っていう一つの何かが出来上がったと思っています。

ーー『DEBUT』をきっかけにRyohuさんを知る、新しいリスナーのことは意識しましたか?

Ryohu:いや、それよりも、自分の立ち位置や役目を重視しましたね。例えば、KANDYTOWNはすごくヒップホップなクルーで、メンバーも十人以上いて、色んな面白さがある。でもソロになった時には、いわゆるヒップホップなラッパーというよりも、もう少しジャンルレスな存在でいたいんです。むしろ、僕の中ではラッパー像そのものから外れている感じもある。ただ、そこもあまり考えすぎず、あくまでRyohuっていうジャンル、そして、ラップという手法を使った音楽家だと思ってもらえればいいなと思っています。それって、ずっと自分が模索しながらやっていく道なんだろうなとも思っています。

■リリース情報
『DEBUT』
2020年11月25日(水)発売
・初回限定盤(2CD)¥3800+税
・通常盤(CD)¥3000+税
・初回限定盤(2CD+Tシャツ)¥5800+税

<収録曲>
01 The Moment
02 GMC
03 Heartstrings
04 You
05 Tatan’s Rhapsody
06 Somebody Loves You
07 No Matter What
08 Foolish
09 Anytime, Anywhere, Anyone
10 True North
11 Level Up
12 Eternal
13 Rose Life
<初回限定盤付属EP『Collage』(Disc2)>
01 Flower
02 Thread
03 Cloud

オフィシャルサイト

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