元Berryz工房 夏焼雅率いるPINK CRES.が明かす、グループの結成背景 そして活動4年目を迎えた変化とは
「Berryz工房が活動停止になったあとも、そういうものを求めている自分がいた」
ーー今回はPINK CRES.の入門編インタビューなので、そもそもの結成についても改めて聞かせてください。2015年にBerryz工房が活動停止になったとき、夏焼さんとしてはソロでやっていく選択肢もあったと思うんですけど、なぜグループでの活動を選んだんですか?
夏焼:もちろんソロでやっていく道もあり得たんですけど、もっと時間をおいて、やりたいことを明確に見つけてからやるべきなのかなとか、本当にいろいろ考えて。それと、やっぱりBerryz工房がとにかく楽しかったんですよ。周りに仲間がいることの安心感もあるし、お互いにライバル心を持って高め合っていく刺激もあって。Berryz工房が活動停止になったあとも、そういうものを求めている自分がいたんです。
ーー夏焼さんにとっては、表現活動とはすなわちグループ活動である、みたいな感じだったんでしょうか。
夏焼:そうですね。グループの中でどうやって自分が目立っていくかを考えることも楽しかったし、急に誰かがドーンって成長して目立ち始めるとか、そういう変化も面白かったんですよね。だから、また違う子たちとグループを組んだときに自分がどういう見られ方をするのかという興味もあったし、次もグループでっていう決断をしたんです。
ーー3人組にしたことには何か理由があるんですか?
夏焼:もともと人数とかはまったく決まってなくて、最初は「Berryz工房よりも人数を多くしたほうがいいんじゃない?」という案も出ていたくらいで。「E-girlsさんみたいにボーカルチームとダンサーチームでやろう」みたいな話もあったり。それも面白そうだなとは思ったんですけど、今までもハロプロですごい人数の中でやってきて、「もうちょっと落ち着きたい」みたいな気持ちがあって(笑)。
一同:あははは(笑)。
夏焼:最終的に3人で結成することになるんですけど、私が「3人でやりたい!」とか言ったわけではなくて。スタッフさんたちと話し合った結果、この3人で並んだときのバランスのよさが一番の決め手だったのかな。身長だったり体型だったり、声だったり。オーディションで私が気になっていた2人でもあったし。
ーー当時はまだBuono!も動いていたじゃないですか。同じ“3人組の女性ボーカルグループ”ということになるので、変に比べられてしまうんじゃないかみたいな不安はなかったですか?
夏焼:なかったですね。Buono!の2人もすごく個性的でしたし、にへとひかちゃんがもも(嗣永桃子)と愛理(鈴木愛理)に重なることはないんじゃないかなと。新しく生まれるものがあるだろうなって確信していました。
ーー外からの見え方みたいなものはあまり気にしなかった?
夏焼:全然気にしなかったです。「また3人でやるんだ?」って思う人もいるだろうとは思いましたけど、「同じじゃん」と言われるか「また新しい雅が見られる」と言われるかは、私の責任というか。そこは自分が何を見せていくかによって変わってくる部分だし、自分にプレッシャーをかけていったほうが私もより意欲的に動くだろうと思いましたし。
ーーなるほど。だとすると、一見不利に見える同じ3人組だったからこそ逆によかったというか。
夏焼:そうですね、それはあったかもしれないです。
ーーそして結成から4年が経ちましたけど、振り返ってみていかがですか?
小林:あっという間の4年でしたね。
二瓶:体感としては本当にあっという間だったんですけど、当時の写真を見返すとなんか幼かったりして(笑)、やっぱり4年って短いようで長いんだなっていうのは感じますね。
ーーこの4年間で印象に残っている出来事を教えてください。
二瓶:一番印象に残っているのは、初めてのツアー(2018年に行われたライブツアー『PINK CRES. 1st Live Tour 2018 〜PINK LAND〜』)ですね。そのときにライブを“作る”感覚を初めて知ったんです。ずっとみやちゃんに引っ張ってもらって、1個1個教えてもらいながらやってきて、ただただ「みやちゃんについて行かなきゃ!」という感じだったんですけど、ライブとなると3人で作りあげなきゃならないんだなっていう。意識が変わったというか、グループの一員としての責任感みたいなものが生まれたツアーでした。
小林:印象に残っているというか、最初にBuono!さんの武道館(2016年に行われたBuono!の単独ライブ『Buono! Festa 2016』)でお披露目させていただいたときのことは、緊張しすぎてて記憶にないんですよ(笑)。ただ、3人で初めてステージに出ていった瞬間だけはすごく鮮明に残っていて、お客さんがバーッと目の前に広がった瞬間、「私、本当にオーディションでPINK CRES.に選ばれたんだ」って思ったんですね。その感覚だけは強烈に覚えています。記憶がないぶん逆に印象に残っているというか、幻だったんじゃないかなって(笑)。
ーーではちょっと難しい質問をしますけど、今のPINK CRES.に点数をつけるとしたら何点になりますか? 4年前に思い描いていた理想の未来を100点として。
夏焼:本当に難しいですね(笑)。私は……70点ぐらい。最初、2人はこういうお仕事に初めて就いて、何も知らない世界に入ってきて怖かったと思うし、わからないことだらけで「なんで私こんなことやってるんだろう?」とか思ってたと思うんですよ。それは伝わってたんですけど。
二瓶・小林:あははは(笑)。
夏焼:私も早く2人と仲良くなりたいと思って、めちゃくちゃ気を遣ってましたし(笑)。きっとお互いが変なプレッシャーを持ち続けていて、グループというよりは「夏焼雅 with ひかる・にへ」みたいな見え方になっていたんですよね。それは私がなりたかったものではないし、そのイメージを変えないとグループを組んだ意味がないなと。そこを改善するために、細かいところではMCの割り振りを少しずつ増やしていったりすることで、だんだん2人が素を出してくれるようになってきて。ようやくリラックスしてこのグループにいられるようになりました。
ーー「2人と対等になれたな」と感じたのはいつごろですか?
夏焼:3年目とかですかね。ファンの人たちも2人に対して“みやの妹たち”という見方ではなく、個々の魅力を見つけてくれるようになってきて。
ーー“じゃないほう”ではなくなったというか。
夏焼:言い方(笑)。でも、そういうことですね。それがうれしかったです。
ーー70点をつけていただきましたけど、あと30点は何が足りないんでしょうか。
夏焼:もっと個人個人がこだわりたいところを言っていってもいいのかなと。ひかちゃんはラップが得意で「作詞をしたい」って言うようになってきたし、にへもダンスが得意というのはずっと言ってきているので、そういうところをもっと押し出していっていいと思います。みんながびっくりするようなことがこれからできたらいいなっていう、足りないというよりは伸びしろの部分ですね。希望を込めた残り30点、という感じです。
ーーこれは個人的な印象なんですけど、楽曲のクオリティや3人のビジュアルレベルの高さを考えたときに、グループの知名度がそれに見合っていない、全然足りていない気がしているんですよ。マイナス30点の部分はそこなのかなって勝手に予想してたんですけど、そうではないんですね。
夏焼:もちろんたくさんの人たちに知ってもらうことは大事だと思っています。今までは、どちらかというと自分たちのファンの人たちに向けてやってきた部分が大きいので、今後はもう少し視野を広げていくべき段階に来ているのかなという気はしますね。PINK CRES.がしっかりグループとして確立してきた今だからこそ。
二瓶:私も、もっといろんな人にPINK CRES.の曲を聴いてほしい気持ちがずっとあります。私はとにかくお喋りが大好きで、SHOWROOMでの生配信やラジオなどをがんばっているんですけど、もっともっとPINK CRES.を知らない人たちに向けて発信できるようになっていきたい。今は皆さんと直接お会いできる機会が本当に減ってしまったので、「PINK CRES.、稼働してますよ!」とアピールすることが大事だと思うし、SNSなどでの発信をがんばっていきたいですね。
小林:PINK CRES.の楽曲ってアップフロントグループの所属アーティストの中でもちょっと毛色が違うと思っているので、私はもっと新しい層の人に楽曲を聴いてもらいたいです。実際、「ひかるちゃんのラップを聴いてCDを買いました」って言ってくださる方もいて、それがすごくうれしかったんですよね。そんなふうに、ラップミュージックが好きな若い人たちとか、これまでのファン層とは違うところにいる人たちにも働きかけていけたらいいなと思っています。
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