“客入りライブ”、様々な工夫で徐々に復活か ハロプロ、和楽器バンドら対策方法から考える現場の現在
新型コロナウイルスの影響で以前のようにライブを行うことができなくなってしまった。それでも音楽を届けようと奮闘しているアーティストや関係者もいる。特に無観客配信ライブは続々と行われるようになった。チケットぴあは『PIA LIVE STREAM』をイープラスは『Streaming+』という配信サービスを開始したりと、配信ライブをサポートする環境も整いつつある。横浜アリーナで行われたサザンオールスターズの無観客配信ライブは3,600円のチケットが約18万枚売れ、総視聴者数は推定50万人を超えたりと、ライブ配信は一般的になりつつある。配信ではあるが、ライブによって多くの人に力を与えてくれた(参考:日本経済新聞「サザンが初の無観客配信ライブ 約50万人が視聴」)。
しかしあくまでも無観客配信ライブはコロナ禍で音楽を止めないための一時的な措置で、生のライブの代替にはならない。アーティストを目の前にして生で観るライブには他で代用できない感動がある。かつてのように3密の環境でライブはできないが、様々な制限がかかる中で工夫して観客を入れたライブを行うアーティストも増えてきた。
大阪府でライブハウス営業が条件付きで自粛解除された6月1日には、セックスマシーン!!が大阪のライブハウス・ANIMAでライブを行った(参考:産経フォト ビニール幕で仕切り熱唱 大阪・アメ村のライブハウス再開)。最大収容人数の6分の1の客数で、観客は着席でステージと客席を2m以上離しアクリル板で遮蔽する等の対応をしている。東京では6月24日に渋谷WWWでアイドルユニットのあっとせぶんてぃーんが観客を動員しライブを行った。客席の間隔を1m開け、ホールの出入り口ドアを開放したままにする等の対応を取っている。こちらも最大収容人数の6分の1以下の客数でライブを行った(参考:BARKS 【ライブレポート】あっとせぶんてぃーん、4ヶ月ぶり観客動員ライブを渋谷WWWで開催)。
ライブハウスやホールで通常通りにライブが行えないならばと、C&Kは「ドライブインライブ」を開催。野外に設置されたステージで行うライブを観客が車の中から鑑賞するユニークなライブだ。観客はヘッドライトをつけたり、ワイパーを動かして盛り上げた(参考:音楽ナタリー C&K、車の中から鑑賞する“ドライブインライブ”開催)。
ホールやアリーナ、ドーム規模のライブも少しずつ再開の目処が立ってきた。ハロー!プロジェクトは7月11日・12日東京・中野サンプラザ、7月18日・19日大阪オリックス劇場、7月25日宮城・仙台サンプラザホールにてライブを行う予定だ。ソーシャルディスタンスを取った配席でチケット販売を行い、観客にはマスク着用を義務付けている。通常のライブとは違い観客には着席での声出し禁止を求めているので、それでも楽しめるようにとメンバーがそれぞれソロでカバー曲を歌い、普段の盛り上げるライブとは違い歌をしっかりと聴かせる内容でライブを行うという(参考:ハロー!プロジェクト公式サイト)。