ネクライトーキー 、スケール大きな演奏で魅せたエネルギッシュな一夜 日比谷野音で放った全身全霊の“5人の叫び”

ネクライトーキー 、スケール大きな演奏で魅せたエネルギッシュな一夜 日比谷野音で放った全身全霊の“5人の叫び”

 ネクライトーキ―、2017年から活動している5人組の男女混合バンドである。2019年には、マイナビBLITZ赤坂を即完させている。2020年1月にメジャー1stアルバム『ZOO!!』を発売し、その後Zepp Tokyoを含む全国ツアー『ネクライトーキー「ZOO!!」リリースツアー 「ゴーゴートーキーズ! 2020春」』を開催する予定だった。しかしコロナ禍により本ツアーは全18公演中、初日以外の17公演が中止に。全世界のすべてのアーティストが葛藤し、世界中の人間が我慢を重ねた約半年。アーティストが様々な形でアクションを起こしていった中、ネクライトーキーは、まずワンマンライブで本格的に活動を再開することを選んだ。つまり彼らにとって、ライブは最優先事項だったのだ。ライブはそれだけ大事な場所であり、おそらく今自分たちが前進するために最も必要なエネルギー源だったのではなかろうか。そんななか、東阪の野外音楽堂にて開催されたのが『ゴーゴートーキーズ!2020 野外音楽堂編』である。

 9月27日、日曜日。日比谷野外大音楽堂。

 SEが鳴る。大きな拍手で迎える観客。コロナ対策のガイドラインに従い、歓声のない環境の中で「虫がいる」からライブがスタートした。続く「夢みるドブネズミ」は、曲のところどころに愛嬌ある効果音を入れたアレンジが入るポップチューン。バンドサウンドの足し引きも大胆で、そのメリハリが楽曲の個性にもなっている。驚いたのは“引き=音数が少なくなるターム”である。フロント3人が後ろを向き、5人でアイコンタクトをとりながら、自分が演奏しない場面でもしっかりリズムを刻んでいる。この日のライブには、同様のシーンが何度もあった。彼らの曲は基本的にテンポが速く、譜割りも細かい。フックになるような音色も多いし、トリッキーな展開の曲も少なくない。さらに一発で覚えることができる〈わらわら〉〈ぽんぽこ〉〈CHAKAPOCO〉〈つんてんしゃん〉といった独特の言語もサウンドのひとつになっている。さらには1小節単位で違うアプローチを仕掛けてくる曲もある。要するにいろいろやっていて非常に忙しいサウンドなのだが、その忙しさが実に楽しく、聴く人を飽きさせない。次に何が出てくるかわからないスリリングさが間違いなくこのバンドの強い武器で、強烈な個性だ。個人的には、初期のXTCやPixiesなど、ポストパンク~ニューウェイヴを彷彿させるかな、と感じた。

 ネクライトーキーお得意のタイトなアップチューンをノンストップで演奏し、駆け抜けるようなスピード感でテンションを引き上げた序盤に続き、ライブは中盤へ突入。「虫の声がするのが、すごくいいですよ。カモーン! ドラムス!」という、もっさ(Vo/Gt)の言葉から「夏の暮れに」へ。続いてステージのライトが“夕陽色”に明滅したところで「夕暮れ先生」につないだ、粋なセットリストで聴かせた後、何の告知もなくいきなり新曲を披露。カオティックなサウンド展開もあるその曲は、わらべ歌を思わせるようなメロディラインが印象的なミディアムチューンだった。

 日比谷野外大音楽堂に、夜の帳が降りてくる。雲間から星が瞬くのが見える。次の曲のイントロ。観客の両手が大きく挙がる。そのテンションを表現するかのように、クラップがそれまで以上に大きくなった。12曲目「許せ!服部」。ライブでは、CD音源よりもテンポを速くして演奏するのがお決まりのこの曲。もっさが“CD”“ライブ”と書かれた2つのパネルを交互にかざし、楽しそうにバンドサウンドを司る。途中でフェイントをかけたりして、まさに音で遊んでいる状態。メンバーが真剣な顔でもっさを凝視している様に、失礼ながら笑ってしまった。この“パネルプレイ”に加え、各メンバーのソロや、カズマ・タケイ(Dr)以外の4人がフロントに出てきてお立ち台に上って演奏するパフォーマンスなど、見せ場の多い1曲だが、そんな彼らの立ち振る舞いにエンターテインメントとしてのスケールの大きさを感じた。もっと大きなステージでネクライトーキーを観てみたいと思わせる名シーンだったと思う。

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