NiziU、メンバーが歌声で放つ9通りの個性と輝き 『Nizi Project』内パフォーマンスや「Make you happy」から分析
9人組グローバルガールズグループ・NiziUに集まる人気は日々広がりをみせている。12月に予定される本デビューに先駆けリリースされた「Make you happy」MVのYouTube再生回数は公開から約3カ月で1億3千万回を突破、同楽曲で印象的な“縄跳びダンス”のカバーダンスはTikTok上で旋風を巻き起こしているとともに、『THE MUSIC DAY 人はなぜ歌うのか?』におけるテレビ初パフォーマンスや『今夜くらべてみました』内の“1時間まるごとNiziU”特集などテレビでも多く取り上げられ大きな反響を呼んでいる。
プレデビュー時点においてすでにネット上とお茶の間の両方から幅広い支持を集めている現状は驚きに値するのだが、その理由にはHuluで配信中の『NiziU 9 Nizi Stories』や近日配信予定の新番組、またVlogやTikTokなど充実したコンテンツ供給といった運営側の働きかけがあるとともに、やはりメンバー自身が持つ新鮮でありつつも親しみやすいナチュラルな魅力が人々の心を捉えているように感じる。
NiziUのデビューメンバーを選抜するオーディション番組『Nizi Project』内においてプロデューサー・J.Y. Parkは「言葉・歌・ダンスで自分を表現できる人に出会いたい」「自分の実際の話のように歌うことは、歌手にとって最も大事なこと」と語っていたが、その言葉通り9人のメンバーが持つそれぞれの個性は彼女たちの歌声にも表れ、9通りの輝きを放っている。
リーダーのMAKOによる歌声の魅力は『Nizi Project』東京合宿で披露された「雪の華」(中島美嘉)からも伝わるものだった。ストイックな日々の練習が支える確かなテクニックの上に、誠実さやひたむきさといった彼女の人となりが繊細な感情表現によって表されるその歌唱は、J.Y. Parkから「聴く人の心に触れる歌」と賛辞が送られていた。
東京合宿・ボーカル審査において「雪の華」を選曲したのはRIKU、MIIHIも同様だったが、そこに映し出される魅力が三者三様だったことは大きな印象を残した。
ボーカルレッスンの経験がほとんど無かったというRIKUの歌った「雪の華」は、持ち前の真っ直ぐとしたナチュラルな個性が安定感のある発声へ反映されていた。その力強いたおやかな歌声は、その後のミッションにおいてメインボーカルを担うまでに成長をみせていった。
そして地域予選から「明るいだけでなく、軽くない(という魅力がある)」と評価されていたMIIHIは、オーディション全体を通して各楽曲に対する感情表現を追求していた姿が多く見られたように、彼女自身の曲解釈による確かな説得力をおびた情感たっぷりのボーカルを披露し「14歳(撮影当時)とは思えない」とJ.Y. Parkを感嘆させた。
「雪の華」の歌唱でインパクトを残した三人が、同楽曲とは打ってかわったチアフルでエネルギッシュな「Make you happy」におけるサビやラップパートで大きな存在感を示している点も興味深い。
オーディションを通じて歌唱の課題点を乗り越え、それぞれの才能を現していったメンバーもいる。
例えば当初、歌声の不安定さを指摘されていたRIOは、韓国合宿中に他の練習生からのアドバイスを受けたことにより、最終審査ではJ.Y. Parkから「歌の成長レベルは期待以上です」という声が上がった。彼女のボーカルにおける特徴である地声の愛らしく素朴な魅力は「Make you happy」の2番歌い出しでキャッチーに活かされている。
地域予選で「力が入りすぎている。肩の力を抜いて歌ってください」と指摘されていたMAYAは、合宿中に呼吸法や発声といったテクニックとともに自信を身につけたことで、その後披露した「Touch」(missA)ではしっとりと艶やかな歌声を、「Swing Baby」(J.Y. Park)では確かなリズム感をみせた。
当初「他の人より何倍も頑張らなくてはなりません」など厳しい言葉を投げかけられていたAYAKAは、韓国合宿中の個人練習で大きな飛躍をみせ「Precious Love」(TWICE)や「Very Very Very」(I.O.I)であどけない澄んだ歌声で聴く者の顔を思わずほころばせてしまう魅力を表した。またかわいらしさだけでなく「Heartbeat」(2PM)のパフォーマンスで垣間見えた彼女の力強いボーカルも、今後の披露が期待される。