×ジャパリ団、有観客と生配信で作り上げた熱気ある景色 初の単独ライブレポート

×ジャパリ団、有観客と生配信で作り上げた熱気ある景色 初の単独ライブレポート

 セガのアプリ&アーケードゲーム『けものフレンズ3』から生まれた×ジャパリ団(ばってんじゃぱりだん)が、初の単独ライブ『×ジャパリ団 LIVE ~ヘドバンの準備はできているか!?~』を9月22日に品川インターシティホールにて開催した。昨年の誕生以来、イベントなどを通じて楽曲パフォーマンスを披露してきた×ジャパリ団だが、今年7月8日に初のオリジナルアルバム『×・×・×』をリリースしたことを機に、『けものフレンズ』派生ユニットとしては異例の単独ライブを開催。しかし、アルバムとはいいながらも『×・×・×』の収録曲は5曲とあって、一体どんな内容でライブが進行するのか……ファンならずとも、その動向に注目が集まった。

 会場の品川インターシティホールには、昨今の情勢を反映して収容人数を50%に抑え、さらに会場に足を運ぶことができない団員(=×ジャパリ団ファンの総称)のために各配信サイトを通じての有料生配信も並行して行われた。品川インターシティホールのフロアには、開演前から真紅に染まったペンライトを掲げた団員の姿が多数見受けられ、彼らのこのライブへの期待感が伝わってきた。

 定刻になり、場内が暗転すると、ステージ後方のスクリーンにカウントダウンの数字が映し出される。続いて、〈WELCOME TO JAPARIPARK〉〈WE ARE BATTEN JAPARIDAN〉のメッセージにあわせて聞き覚えのあるシンセのリフが響き始めた……なんと、ライブのオープニングを飾るのはスウェーデンのハードロックバンドEuropeが80年代に大ヒットさせた代表曲「The Final Countdown」のカバー! Europeと×ジャパリ団は同じレーベル所属という事実を考えると、このつながりは不思議と納得してしまうものがある……なんて感じるのは、『けものフレンズ』ファンが大半を占める会場内では筆者だけかもしれない(苦笑)。

 原曲のイメージを忠実に再現したバックトラックに乗せて、×ジャパリ団の歌声が聴こえてくるのだが……その姿はステージ上に確認できない。しばらくすると、ステージ後方から歌いながら3人が登場(この理由については、ライブ後半で本人の口から明かされることになるので、ここでは触れないでおく)。未来みき(ブラックバック役)、小泉萌香(タスマニアデビル役)、船戸ゆり絵(オーストラリアデビル役)の3人は拳を振りながら煽り続け、歓声を挙げたり一緒に歌ったりなどできない状況ながらも団員はジャンプしたりペンライトを力強く振ったりして、その思いに応えていく。

 華々しいオープニングを飾ると、早くもこの日最初のMCへ。未来は「今日は(客席側は)声を出せないので、ボディランゲージで示してほしいの。お互い汗かいていこう!」と団員にアピールする。すると、小泉が「オレたち、5曲しかないよ?」と早くも筆者が気になっていたポイントを指摘。すると未来は「むしろ5曲もある!」と返し、船戸も「気持ちで乗り越えよう!」と続ける。さて、この先どう進行していくのか……まさに神のみぞ知るといったところだろうか。

 和やかなMCを終えると、ライブは「どきどき黙示録」から再開。3人の掛け声にあわせて団員がジャンプしたり、サビでは3人の振り付けを初見で団員が真似るなど、早くも息の合ったコンビネーションを見せる。続く「×レゾンデートル」では冒頭、フットスタンプで一体感を見せつけ、未来のパワフルな歌声やメタリックな楽曲、サウンドと相まって、場内の熱気もどんどん高まっていった。その真骨頂と言えるのが、MVも制作された「確固不×論」だろう。日本のヘヴィメタルバンドOUTRAGEが手がけたこの曲の、中盤の四字熟語をシンガロングするパートでは(団員のシンガロングこそないものの)この日最初のクライマックスを迎えた。

 客席からの声援は皆無ながらも、会場で体感するライブの熱気はコロナ禍以前となんら変わらない。もちろん、MCでのユルさも相変わらずだ。3人の微笑ましいやりとりに、客席から思わず笑い声が溢れるのは仕方ないだろう。ライブ中盤ではグッズ紹介コーナーが用意されたが、なんとそのグッズをステージに運ぶのが同じ『けものフレンズ3』から生まれたユニット・はなまるアニマルの3人。このうれしいサプライズに、団員が手にしていたペンライトの色が赤からはなまるアニマルのメンバーカラーへと変わり、×ジャパリ団の3人が団員にツッコミを入れる一幕もあった。

 ライブ中盤では×ジャパリ団、はなまるアニマルの6人で勝負企画をすることに。伝言ゲーム、4曲同時当てゲーム(異なる4曲を同時に流し、各曲名を当てるもの)の2勝負が実施されたが、なぜか主役の×ジャパリ団が負ける結果に。罰ゲームとして「今だから言える謝りたいこと」を告白することになるのだが、船戸が「可愛くてごめんなさい!」、小泉が「何にでもマヨネーズをかかけすぎてごめんなさい!」と微笑ましい謝罪をする中、未来は「今日のライブ、(オープニングで)出遅れてごめんなさい!」と1曲目「The Final Countdown」で出遅れた理由を暴露。どこまでもワルになりきれない、×ジャパリ団らしいエピソードだった。

 その後、はなまるアニマルが「はなまるアドベンチャー」「いつだってはなまる」の2曲を披露して場をさらに和ませると、ここからライブ後半戦に突入。×ジャパリ団の原点でもある「ジャパリ狂詩曲〜×ジャパリ団のテーマ〜」で場内の熱気を再びヒートアップしたかと思うと、続く「絆ふぉーえばー」ではシャボン玉が宙を舞う中、3人が気持ちのこもった歌声を会場中、そして配信ライブを観ている視聴者のもとまで響かせた。さらに、この日のために用意されたガイコツマイクを使って、『けものフレンズ』にはおなじみの1曲「ようこそジャパリパークへ」のメタルアレンジバージョンを初披露。ヘヴィなギターサウンドと低音の効いたアレンジが施されたこの曲を前に、団員たちも全力のジャンプで喜びを表現した。

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