JO1、デビューから2作連続シングルチャート首位に ジャンルを越境しながら最新のポップカルチャーを体現

参考:2020年9月7日付週間シングルランキング(2020年8月24日~2020年8月30日)

JO1『STARGAZER』

 2019年に大きな話題を呼んだオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』。その合格者11人で結成されたのがJO1です。2020年3月4日にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで1位を獲得したデビューシングル『PROTOSTAR』に続き、2ndシングル『STARGAZER』も2020年9月7日付の週間シングルランキングで1位を獲得しました。連日のテレビやラジオへの出演の効果も大きいでしょう。

 『STARGAZER』には「STARGAZER」という楽曲は収録されておらず、1曲目に収録されているのが「OH-EH-OH」。MVは9月4日時点ですでに200万回以上再生されています。

 そのMVの冒頭は、まるでヤンキー学園ドラマかと思うようなシーン。しかし、JO1を襲う敵方もスタイリッシュです。アメリカのヒップホップにおけるギャングスタ的な世界観を、商店街のような日本的な風景に落としこんでいる点にはかなり驚かされました。終盤の乱闘シーンのようなドラマパートと楽曲のシンクロも見事。そして後味が良いという構成も巧みです。日本のドラマにもギャングスタにも縁のない海外のファンの目にはどう映るのだろうかと思ったのですが、YouTubeのコメント欄での反応も良好。そこにJO1の持つ「越境する力」も感じました。

JO1|『OH-EH-OH』MV

 JO1は、『PRODUCE 101 JAPAN』を経て、現在は吉本興業と韓国のCJ ENMによる合弁会社であるLAPONEエンタテインメントに所属しています。彼らは当初から「日本産のK-POP」とも言うべき、独特の「ねじれ」を抱えているわけです。それは一方で、JO1というグループが当初からクロスカルチャーとしての性質を強く持っていることも意味していました。「OH-EH-OH」のMVは、それをJO1が極東アジアの最新のポップカルチャーとして提示できるポテンシャルを持っていることを明らかにしています。

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