マカロニえんぴつ、豊洲PITから届けたオンラインライブ サウンドと言葉に込められた挑戦への“決意表明”

マカロニえんぴつ、豊洲PITから届けたオンラインライブ サウンドと言葉に込められた挑戦への“決意表明”

 4月にリリースしたアルバム『hope』を携えての全国ツアーが新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となってしまったマカロニえんぴつが、ツアーファイナルの会場となるはずだったチームスマイル・豊洲PITから届けるオンラインライブ。イベントなどでの配信ライブはあるものの、ワンマンとしては初めてとなるこの日、彼らは全14曲を熱演。予告されていた「重大発表」もあり、LINE LIVEは累計70万人以上、YouTube LIVEの同時視聴は4万人以上という視聴者、全国のファンを喜ばせた。

マカロニえんぴつ『マカロックONLINEワンマン〜豊洲から愛を込めて〜』(2020年9月3日豊洲PIT)
マカロニえんぴつ『マカロックONLINEワンマン〜豊洲から愛を込めて〜』(2020年9月3日豊洲PIT)
マカロニえんぴつ『マカロックONLINEワンマン〜豊洲から愛を込めて〜』(2020年9月3日豊洲PIT)
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マカロニえんぴつ
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 開始時刻の20時となり、前面に紗幕の張られたステージにメンバーが登場。ドラマティックなシンセストリングスの音色に乗せてはっとりが歌い始めたのはアルバムのタイトルナンバー「hope」だ。田辺由明のギターと高野賢也のベースが重なり、包容力のあるアンサンブルが広がっていく。ここで幕が落ち、明るい照明がバンドを照らし出す。はっとりは前をまっすぐ見つめながら〈君が好きだ〉と歌詞に込めた思いを届けてみせる。「よろしく、マカロニえんぴつです」、そんな短い挨拶から続けて「遠心」へ。彼らの武器のひとつでもあるハーモニーが、観客のいない豊洲PITの空気に鮮やかな色彩を付けていく。

 「ついにやってまいりました。時間通り始まりましたね。8月……」といきなり日付を間違えつつも、カメラに向かって手を振ってみせるはっとり。「なまら緊張してるね!」となぜか北海道弁でこの独特な雰囲気について語り、キーボード・長谷川大喜もそれを受けて「緊張してますよ」と苦笑いを浮かべるが、いざ曲が始まればあっという間に自分たちの世界に引き込んでみせるのがこのバンドだ。凛とした佇まいの裏に切なさをたたえた最新曲にして大名曲「溶けない」では、『hope』というアルバムを経た今のマカロニえんぴつだからこそ届けられる優しく強いメッセージが、筆者が視聴中につけていたイヤホン越しに心にすっと染み入ってくるようだ。曲の途中でいきなりプログレッシブな展開を見せるのがこの曲のおもしろさだが、照明やカメラワークによる演出がその大胆な構成をいっそう輝かせる。

 それにしても、こうしてライブを観るたびに思うのが、マカロニえんぴつというバンドの引き出しの多さと懐の深さだ。ブルージーなセッションからギター、ベース、キーボードのソロ回しを経て突入した「ブルーベリー・ナイツ」もそう、ノスタルジックで柔らかな音の手触りで鳴らされた「恋人ごっこ」もそう。このライブで演奏されたどの曲もそうだが、楽曲ごとに描きたい風景と伝えたい思いが、言葉だけでなく音のフォルムと感触のすべてを注ぎ込んで表現される。

はっとり【マカロニえんぴつ『マカロックONLINEワンマン〜豊洲から愛を込めて〜』(2020年9月3日豊洲PIT)】
はっとり【マカロニえんぴつ『マカロックONLINEワンマン〜豊洲から愛を込めて〜』(2020年9月3日豊洲PIT)】
はっとり【マカロニえんぴつ『マカロックONLINEワンマン〜豊洲から愛を込めて〜』(2020年9月3日豊洲PIT)】
田辺由明【マカロニえんぴつ『マカロックONLINEワンマン〜豊洲から愛を込めて〜』(2020年9月3日豊洲PIT)】
高野賢也【マカロニえんぴつ『マカロックONLINEワンマン〜豊洲から愛を込めて〜』(2020年9月3日豊洲PIT)】
高野賢也【マカロニえんぴつ『マカロックONLINEワンマン〜豊洲から愛を込めて〜』(2020年9月3日豊洲PIT)】
長谷川大喜【マカロニえんぴつ『マカロックONLINEワンマン〜豊洲から愛を込めて〜』(2020年9月3日豊洲PIT)】
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はっとり
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 それが思いっきり体現されたのが、「特殊な楽器を用意しております」と、メンバーとともにフロアに降りて、長谷川がピアノ、はっとりがお母ちゃんと同い年というビンテージのアコースティックギターという編成でスタートした「春の嵐」だった。Oasisの「Whatever」へのオマージュが込められたこの曲のメロディの美しさがいっそう際立つアレンジに、ベースとギター、ドラムが入ってきて一気にスケールの大きな風景を描き出す。そこから一気にライブは加速。跳ね回る二拍子ががらりと空気を変えた「ハートロッカー」では向かい合って音楽を鳴らすメンバーがさっきまでの緊張感とは打って変わって充実の表情で熱演し、サポートドラマー高浦“suzzy”充孝の華麗なソロからの「愛のレンタル」、そしてそれを経て鳴らされた彼らの代名詞「洗濯機と君とラヂオ」ではバンドアンサンブルの妙味をこれでもかと見せつける。

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