森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.212
Da-iCE、JO1……異なる世界観を映し出したダンストラック 新譜5作からピックアップ
初めてオリコンランキング1位を獲得した前作『私を創るのは私/全然起き上がれないSUNDAY』以来、約10カ月ぶりとなる両A面ニューシングル。メンバーの官能的なハーモニー、力強いコーラス、〈何のため生まれてきたの〉というフレーズから始まる「限りあるMoment」は、“思うように生きて、それが誰かの力になるなら、それでいい”という思いを込めたメッセージソング。全編を貫くストリングサウンドとともに放たれる強いボーカルに心を打たれる。「ミラー・ミラー」はソウルミュージック、ディスコのテイストを押し出したダンストラック。エキゾチックな旋律、“もっと見てほしい”という欲望をテーマが絡み合い、メンバーの大人っぽい表情が楽しめる。
アコギ中心の音像と愛らしい日常を綴った先行シングル「milk」を含むニューアルバム『maze』。思い出野郎Aチーム、長谷川白紙、ESME MORI、mabanua、U-zhaan、Yuya Saito (from yonawo)など多彩なアーティストが参加、ジャンルを超え、Rachel、Mamikoのやりたいことが自由に混ぜられた作品だ。上手くタイミングが合わず、なかなか会えない時期をテーマにした「jiki」、現実と夢の中が溶け合う状態をポリリズム全開のカラフルなトラックに載せた「ごはんだよ」、女性二人のラブリーな関係を映し出す「GREEN」。日常のなかで生まれる何気ない感情や光景にフォーカスし、共感度高め&ゆったり踊れるヒップホップに転換させるセンスはさらに向上。励まされているわけでもないのになぜか元気になれる、ナチュラルボーンポジティブな音楽だ。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。