稲垣吾郎が悩みを抱えた人たちの心を潤す 熟成された言葉に宿る“夏を涼やかに過ごすヒント”
優劣はない、自分は自分であること
「ちょっとしたことで悩んでしまって、気持ちのコントロールができない」「友だちと比べて劣等感を抱いてしまって、うまく話せない」そうした行き場のないエネルギーで、頭の中がカッカッしてしまうこともあるだろう。そんなモヤモヤとしたお悩みに対して、稲垣の答えはいつもフラットだ。もともと「引きずらないタイプ」「人が上に行っても悔しくともなんともないタイプ」であるという。自分の内側へと向かったネガティブな感情は「いつかは忘れられるし、人間ってそういう生き物だと思う」といい意味で深追いしないスタンスを見せてくれる。また、自分の外側に向かった劣等感については「持つ必要はまったくない」「人によってペースが違うだけで優劣ではない」とキッパリと持論を展開。どんなに気分が落ちてもまた陽は上るし、他人がどんなスピードで駆け抜けていっても自分の立ち位置は変わらない。受けたダメージも、湧き上がった悔しさもなかったことにならないなら、自分を向上させるために必要なものだったと変換すればいい。明快な言葉に、まるで打ち水をまかれたときのように、脳内がクールダウンしていく感覚だ。
とってつけたような励ましのフレーズではなく、時を重ねて思考してきた末に、結晶化したような言葉たちだからこそ、稲垣の回答は心を打つ。彼が教えてくれたヒントを胸に、自分をもう一歩高める季節になるよう、この夏をよりクールに生きようではないか。