和楽器バンドが見出した、一筋の希望の光 厳戒な感染防止対策で臨んだ有観客アリーナ公演を振り返る

和楽器バンドが見出した、一筋の希望の光 厳戒な感染防止対策で臨んだ有観客アリーナ公演を振り返る

 和楽器バンドが、8月15日、16日の2日間にわたり、横浜アリーナにて『和楽器バンド 真夏の大新年会2020 ~天球の架け橋~』を行なった。

 本来は2月に両国国技館にて『大新年会 2020 両国国技館 2days〜天球の架け橋〜』の開催を予定していたが、新型コロナウイルスの影響により日程と会場を変更。さらに収容人数を50%以下に抑え、厳戒な感染防止対策を行ないながらの開催となった。本記事では、2日目となる16日の様子をレポートする。

 定刻ちょうどに暗転し、歓声の代わりに無数の薄紫色のペンライトが客席に灯る。その光一つ一つには、観客たちの静かな情熱が集まっていたに違いない。スクリーンにメンバーの顔が一人ずつ映し出されると、有観客ライブに踏み切った彼らの英断を称えるかのように温かく大きな拍手が沸き起こる。幕が落ちると、眩い光の中に8人が姿を現す。鈴華ゆう子(Vo)は高くそびえたつステージから登場し、宇宙や大自然の木漏れ日などの神秘的な映像をバックに朗々と「IZANA」を歌い上げる。その姿はまるでこの世界を司る女神のようだ。

 ステージには天井まで大きくアーチ形にライトが設置され、本公演のタイトルでもある“天球の架け橋”を具現化していた。「和楽器バンドのライブへようこそ!」と黒流(和太鼓)が力強く煽るとステージからは炎柱が吹き上げ、緑のレーザーが飛び交う中、「Ignite」が始まる。町屋(Gt/Vo)の熱いラップが会場のテンションをぶち上げ、亜沙(Ba)の唸るような重低音も加速。

 ジャンルレスなサウンドを奏でる和楽器バンド独自の世界観へと観客たちをどんどん引き込んでゆく。「今日はペンライトと手拍子、一人一人の気持ちで最高の一日を作り上げましょう。そのままで十分伝わっているから!」と鈴華が語り掛け、「Valkyrie-戦乙女-」へ突入すると、疾走感のあるメロディーを奏でながら神永大輔(尺八)と町屋がステージを駆け回る。続く「いろは唄」では赤く妖艶なライトがステージを照らし、蜷川べに(津軽三味線)が華麗な音色を響かせ、黒流はバチを持った手を振り上げて観客を煽り倒した。

 MCでは、鈴華がマスクの着用や発声の禁止など公演中の注意事項を伝えた上で、「今日は頭から皆さんの気迫を感じていました。守ってくれて感謝しています」と感謝の気持ちを述べ、温かな雰囲気に会場は包まれていた。リラックスしたムードの中、町屋、いぶくろ聖志(箏)、蜷川によるセッションが始まる。3人の織り成すハーモニーは少しずつ激しさを増し、その後のポップでキュートな「World domination」へと続いていく。

 「起死回生」では曲に合わせて観客たちがペンライトを回し、会場全体が一つになる。メンバー紹介タイムを挟み、しっとりとした優雅なバラード曲「オキノタユウ」へ。透き通るような鈴華の美しい歌声と和楽器の音色が混ざり合い、観客たちを魅了する。神永の尺八ソロから会場は緊張感のある雰囲気へと一変し、そのまま町屋、黒流、鈴華のセッションパートへ。お面をつけた町屋が激しいロックサウンドを奏でると、黒流がアグレッシブに太鼓を叩き鳴らし、鈴華は和傘や日本刀を使ったパフォーマンスで迫力満点の演出を見せつける。続く「Break Out」でライブはさらに勢いを増し、後半戦へと突入。

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