新しい地図は『ななにー』で表現し続ける ゲストらとのトークを通して浮かび上がった、未来へ繋がるヒント
「未来のために取っておくことも必要」
そして今回の放送を象徴しているかのようなコーナーが『インテリゴロウ』だった。『首里の馬』で芥川賞を受賞した、作家の高山羽根子と対談した稲垣。そこで話されたのは、全ての「現在」の情報が、発信された瞬間に「過去」の記録になる感覚について。稲垣も同じような感覚を持っており「“過去いいじゃん”って思うこともある」とこぼす。だが、その記録こそが、風化されていく記憶を留めておく唯一の方法だということも。
中山との話に出てきた番組『新春かくし芸大会』も、若い視聴者の中には見たことがない人もいるかもしれない。渡辺と話した『笑っていいとも!』でさえも、今後知らない世代が増えていくことだろう。ひょっとしたら、いつか彼らがSMAPとして経験した激動の日々だって……。高山が「移り変わる東京を書き留めたい」と、この2020年前後で変わりゆく風景を見ながら感じたように。新時代を受け入れながら、今を残していくことも重要だ。
そして、稲垣は「表現することが今までの恩返し」と語った。さらに、3人で夏ソングを歌う姿に、彼らが残し続けようとしていることが伝わってくる。何が正解かわからないけれど、精一杯楽しんで生きた証を残し続ける。つまるところ、私たちにできることもそれしかないように思える。名曲を歌うもよし、好きなことを発信するもよし、古き良き思い出を紐解いて誰かに伝えるもよし。私たちが今この瞬間をどう生きて、何を残したかで、いい未来に繋がっていくと信じて。