E-girls「So many stars」、小竹正人による歌詞から伝わるメッセージ ファンへの感謝と自らの決意表明を示した楽曲に
注目したいのは、Bメロの〈誰よりも 大切な あなたに私 間違えていないよと 言ってほしい〉の歌詞だ。長らく応援してくれたファンにこそ、新たなチャレンジを応援してほしい。この寂しくも大きな決断を「間違えていない」と背中を押してほしい。誰もが、次なる一歩を踏み出すときは不安でいっぱいだ。それでも歩み進められるのは、それを信じて見守ってくれる人の存在がパワーになるからだ。
そして、続く〈大人になったよね 出会った日 私たち本当に 子供だったね〉という歌詞は、メンバー同士が勇気づけている歌詞のように見える。「本音をぶつけ合えた」(山口乃々華)、「自分が本当に思い描いている夢に近づける道に行こうって」(武部柚那)とは、『タグロー by よしログ』(GYAO!!)で披露された、解散までの秘話を語った時の様子だ。
さらに、武部は「みんなで話してるのは、大人になっても絶対ご飯行ったりしようねとか」と続けていた。がむしゃらに歌い踊っていた子供だったあの頃よりも、自分で道を選べるくらい大人になった。でも、もっと理想の大人になるために……。彼女たちの表情は「解散」という言葉が持つイメージとは裏腹に、驚くほど前向きで明るい。
〈So many stars 夢という名の風船を Step by step どんどん膨らませたけれど ここらへんで飛ばしてみよう 深呼吸してみよう〉
そう、E-girlsの「解散」は、どこまでも新しい「スタート」なのだ。夢が叶えば、現実になる。人生とは夢を描き直して続いていくものなのかもしれない。深呼吸して、また次の夢を探しにいこう。そうやって私たちは、大きくなっていくのだ。〈さよならだけは言わない〉で締めくくられるこの楽曲は、ファンへのラブレターであり、メンバー自身が自分たちに向けた「もっと幸せになる」という決意表明なのだろう。