ZOC 香椎かてぃは、キャパシティを超えてどこまでも寄り添う存在に ラディカルなアイドルとしての姿勢を読む

ZOC 香椎かてぃは、キャパシティを超えてどこまでも寄り添う存在に ラディカルなアイドルとしての姿勢を読む

 偶像は神の似姿であり、崇拝の対象だ。つまり“アイドル(=偶像)”という言葉の原義に忠実になるならば、彼女たちは神仏の類なのである。そうした構図はしばしばファンとの歪な関係を生み出す。例えば、恋愛禁止やSNSにおける発言の規制など数々の制約を設け、清廉潔白であることを強要し、少女たちに幾重もの枷をはめていくような縛り方がある。そのような状況下では、偶像ありきの信者ではなく、偶像であることを信者側が強要するような、なんとも倒錯した構図が出来上がる。身勝手とも言える期待を一身に背負うはめになったアイドルたちは非常に窮屈な生き方を強いられる。信仰心が育つほど、本来靄のようにフレキシブルだったはずの人格は外から凝固させられ、キャラクターという檻のなかでしか身動きが取れなくなってしまう。誰かの神様であろうとすることは、非常にリスキーかつ厄介なのだ。そんな忌避すべき役割を進んで担っている存在が香椎かてぃである。

香椎かてぃ

 崇拝、信仰、カリスマ、教祖……カルト。香椎かてぃをとりまくものものしく宗教じみたキーワードは、一聴すると胡散臭く聞こえるかもしれない。だが、幼少の折よりアイドルになることを願ってやまなかった彼女は、その本来の意味を一心不乱に突き詰めている。パーソナルインタビューにて、アイドルに向いていないとプロデューサーに告げられロリータアイドルを辞めた経験や「今までのアイドルの概念を壊すなとよく言われる」ことを語った彼女は今、ひとりの女の子が崇拝対象になるということの苦々しいほどの重さを逆手に取り、誰よりもラディカルにアイドルであろうとしている。

香椎かてぃ -ZOC Member interview 私がZOCになるまで- episode1

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