カイゴのトロピカルハウスが日本人のツボを外さない理由 ダンスミュージックチャート席巻の『ゴールデンアワー』から考察
日本時間の5月30日朝5時から開催されたオンラインフェスティバル『Golden Hour Festival』は、同作のお披露目であると同時に、チャリティを通じてCOVID-19禍で苦境に立つ人びとへをサポートするものでもあった。同フェスでは、子供の貧困の支援運動を行う非営利団体Baby2Baby、仕事が激減するツアースタッフやライヴヴェニューのスタッフに対する経済的支援を行うCrew Nation、WHOや国連財団などが立ち上げたCOVID-19連帯対応基金への募金が呼びかけられた。
同フェスにはカイゴと同郷のDJ/プロデューサーのアラン・ウォーカーや、前作・本作とアルバムでコラボを重ねてきたロックバンドのOneRepublic、シンガーソングライターのジミー・バフェットらが参加。各々の出演者によって、特別パフォーマンスの様子や親密さ漂う自宅でのミニライブ、ライブフッテージが配信された。カイゴは、湖に面した自宅の庭に用意されたステージから『Golden Hour』の収録曲を中心にDJを披露した。
このフェスでユニークだった点は、瞑想のプログラムが組み込まれていた点だろう。COVID-19の流行に伴う生活環境の変化に伴い、ストレスフルな状況をやり過ごすためにメンタルヘルスのケアが必要になってくる人も少なくない。もとより音楽産業がミュージシャンをはじめとする労働者のメンタルヘルスに対して関心を高めているなか(その契機のひとつには、アヴィーチーの急逝もあった)、カイゴが今回のフェスで瞑想を取り入れるのには二重の文脈があるだろう。
このように、本作が普遍的なポップアルバムとして悠然とした佇まいを見せるのとは対照的に、『Golden Hour Festival』には、大規模フェスを通じて発展してきたEDMという領域を再考させられる部分がしばしばあった。今秋にはSUPERSONICにて来日を予定しているが、本作を携えてのパフォーマンスが観られることを期待したい。
■imdkm
ブロガー。1989年生まれ。山形の片隅で音楽について調べたり考えたりするのを趣味とする。
ブログ「ただの風邪。」
【リリース情報】
ニュー・アルバム『Golden Hour』(ゴールデン・アワー)
<配信アルバム>
2020年5月29日(金)配信リリース
●全18曲
<日本盤CD>
2020年7月8日(水)発売予定
●日本限定生産
●¥2,200+税
●全21曲 / ボーナス・トラック3曲収録
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■来日情報
SUPERSONIC (スーパーソニック)
日程:2020年9月19日(土)・ 9月20日(日)・ 9月21日(月・祝)
会場:【東京】ZOZOマリンスタジアム&幕張海浜公園 【大阪】舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
※カイゴはの出演日程は9/19(土)大阪、9/20(日)東京
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