小山田壮平が作る音楽の時代を越えた求心力 新たな季節の訪れを感じさせる「OH MY GOD」とソロアルバムへの期待
小山田壮平が戻って来たーー。5月15日に配信された新曲「OH MY GOD」を聴いてそう思った人も多いのではないだろうか。それまでのソロ名義の作品は、2018年に行った弾き語りツアー会場と公式サイトの通販限定で販売された4曲入りのCD『2018』のみ。「OH MY GOD」の配信と同時に、8月にソロアルバムと自身が監修した歌詞が収録された書籍が発売されることも発表され、いよいよ活動が本格化するーーそう、期待が膨らむ報せだった。
幼い時からの「歌手になりたい」という小山田壮平の夢を実現させたのが2007年に結成したスリーピースバンド、andymoriだ。小山田の大怪我により一度はキャンセルされた日本武道館公演が約1年越しで実現し、2014年10月15日に武道館でラストライブが行われるまでの約7年間。初期はどしゃめしゃにつんのめったロックンロールで「和製ザ・リバティーンズ」と評され、後期はフォーク色を強めより歌の透明性を強めたandymoriは、ロックバンドの希望として輝き続けた。その中心にはずっと小山田壮平の歌があった。
あらゆる人を愛したいと思う博愛性と人と人は根源的にはひとつになれないという孤独感。全世界を手中に収めるような万能感とすべての差別と格差への諦め。表裏一体の強い希望と深い絶望が歌われた楽曲群は、小山田の天才的なメロディと文学的な言葉の上に成り立っている。そして、日々息を吸うようにメロディと言葉を紡ぐ小山田の心がそのまま映し出されているものばかりだ。
andymoriの解散から約1カ月後、小山田は信頼するミュージシャン達とレーベル<Sparkling Records>を設立。そして、元々小山田がファンであり、同じ歳で同じ福岡出身の長澤知之と以前から行っていた音楽活動を発展させたバンド、ALを結成する。メンバーは小山田と長澤、そして初期andymoriのリズム隊でもある藤原寛と後藤大樹という顔ぶれだ。小山田と長澤それぞれがリードボーカルを取る曲があり、巨大な才能を持つ者同士だからこその才気走った楽曲が聴け、『心の中の色紙』と『NOW PLAYING』という2枚のアルバムを発表している。
andymoriでやれることはやりきった。だからALを結成する。そのバンドは自分も含め4分の3がandymoriのメンバーであるーー。その行動原理もすべてはその時に生み出したい音楽をできる限り純度高く奏でるためだ。だからこそ小山田の楽曲には、音楽を邪魔するようなノイズが存在せず、強い普遍性と透明性があり続ける。あいみょんがandymoriの初期の代表曲「ベンガルトラとウィスキー」にインスパイアされて「夢追いベンガル」を作ったことは周知の事実だが、小山田の楽曲には時代を越えた強い求心力があるのだ。
ソロ初の配信曲「OH MY GOD」は 交流の深い映画監督・松居大悟から直接オファーを受け、松居が監督する新作映画『#ハンド全力』の主題歌として書き下ろされた。andymori時代含めて小山田にとって初の書き下ろしとなる。
爽快なギターリフから始まる実に堂々としたバンドサウンドで、昨年行われたバンド形式のツアーと同様、andymoriでもALでも一緒の藤原寛がベース、Sparkling RecordsのレーベルメイトであるGateballersの濱野夏椰と久富奈良がそれぞれギターとドラムを務めている。迷いのない小山田の歌声が、閉塞した世界を蹴破り、新たな世界に導いてくれるような全能感。新しい季節の訪れを確実に感じさせる楽曲であるし、すでにソロのライブで披露されている名曲群が収録されるであろうソロアルバムに向けて猛烈に気持ちが高まる楽曲でもある。
■配信情報
Disital Single「OH MY GOD」
配信:2020年5月15日(金)
iTunes Storeほか主要配信サイト、ストリーミングサービスで配信中
配信はこちら
※音楽ストリーミングサービス:Apple Music、LINE MUSIC、Amazon Music Unlimited、AWA、KKBOX、Rakuten Music、RecMusic、Spotify、YouTube Music
・8月に初のソロアルバムリリース
■リリース情報
LIVE DVD『OYAMADA SOHEI LIVE 2018 2019』
発売:2020年6月24日(水)
DVD(2枚組/40曲)
SPKL-1002
価格:6,000円(税抜)
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オフィシャルリンク:
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