ONE OK ROCK Toru&Taka、プロデューサーとしての手腕 miletやAimer提供曲から浮かんだ共通点

 ONE OK ROCKのメンバーが女性アーティストをプロデュースするのはこれが初めてではない。Taka(Vo)は2016年7月、Aimerに「insane dream」という楽曲を提供した。また、同年9月にリリースされたフルアルバム『daydream』では、同曲を含む計5曲を提供している。

Aimer 『insane dream』MUSIC VIDEO(FULL ver.)

「私は今までの自分のイメージに囚われることなく、良い意味でいろんな方向性を試したいと思っていたので、彼がONE OK ROCKでやっているような曲調とか雰囲気の音楽性にもチャレンジしてみたいっていうことは彼には伝えていて。彼も彼で、それはもちろんだけど、自分がAimerに曲を書くとしたらこういうのも歌ってほしい、という希望もあって。そんな感じで、お互いに出し合いながら、激しいONE OK ROCKっぽい曲もあれば、わりと静かでバラードのような曲もあって、お互いがAimerに歌わせたい曲を話し合っていった結果、これだけのものができた、という感じですね」 

――と、Aimerが語っているように(参照)、Takaの提供した曲はざっくり言うと、2種類に分けられる。ひとつは、重めのロックサウンドによる曲で、これがおそらく彼女の言う“激しいONE OK ROCKっぽい曲”。もうひとつは、アコースティック調のナチュラルな空気をまとった曲で、これはおそらく“わりと静かでバラードのような曲”。

 特に前者におけるメロディには、ワンオクイズム的なものを感じる。鍵盤で言うところの黒鍵の音を効果的に用いた、ドラマティックなメロディだ。もしもTakaが同じ曲を歌ったとしても、違和感なく受け入れられるだろう。一方、後者にあたる曲は、Aimerの声質、空間を包むミストのようなハスキーボイスに当て書きしたようなメロディになっている。たとえば、「Higher Ground」のAメロは、抑揚に乏しく、フレージングを感じられるようなメロディラインではないが、これはきっとあえてそうしたのだろう。「h」や「w」といった発音時のアタックが弱くなる子音を多く使用した歌詞や、“歌う”というよりも“息を吐き出す”に近い歌唱法がそこに組み合わさることにより、Aimerだからこそ歌える歌が生まれた。

Aimer new album 「daydream」DIGEST(9/21発売)

 ちなみに、Takaはプロデュースに際し、「彼女の声を初めて聞いて感動したあの日からこの楽曲提供にいたるまでの間、2人で何度も試行錯誤して話し合い、セッションをして一緒に作り上げました」とコメントしていて(参照)、曲の成り立ち方は奇しくもmilet&Toruと一致している。プロデュースする側もされる側もミュージシャンである場合、音でコミュニケーションを取るのがやはり一番スムーズに進むのだろうか。「この人の最も光る魅力を見つけたい」というプロデュースする側の願いと、「今までにない挑戦をしたい」というプロデュースされる側の願い。その2つが重なるところに注目してみると、新しい驚きが見つかるかもしれない。

■蜂須賀ちなみ
1992年生まれ。横浜市出身。学生時代に「音楽と人」へ寄稿したことをきっかけに、フリーランスのライターとして活動を開始。「リアルサウンド」「ROCKIN’ON JAPAN」「Skream!」「SPICE」などで執筆中。

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