大森靖子、ファンの孤独を癒す音楽活動への姿勢 『大森靖子2020♥ハンドメイドホーム6♥』開催を機に考察

 新型コロナウイルスの感染拡大が続いていた2020年3月27日、ZOCの無観客ライブ配信『ZOC『SHINEMAGIC』発売記念 緊急ライブ配信』が行われた。正規のアーカイブは存在しない。その時間をZOCに捧げて立ちあうという形で、私たちは無料配信を視聴した。そこに登場したのが、ZOCの新メンバーの巫まろだった。Twitterのタイムラインがざわめいた。

ZOC『断捨離彼氏』

 緊急事態宣言が発出された4月からは、大森は毎晩のように「♥今日のおやすみ弾語り」を公開するようになる。そして、5月23日にはリアルサウンドで「大森靖子による寄稿文:『コロナ以降』のカルチャーに望む、価値観のアップデート」が公開された。2020年の音楽をめぐる状況を考えるうえで非常に重要なテキストなので、ぜひ読んでほしい。

 6月2日には、『大森靖子2020♥ハンドメイドホーム6♥』が発表された。アルバム『Kintsugi』の今冬のリリース、『おやすみ弾語りand投げ銭デコチェキ』の実施、『復活!大森靖子ミッドナイト清純異性交遊ラジオ』のYouTubeでの配信、本人のオーディオコメンタリー付きでライブ映像を見る『プレイバックラストイヤーライブ』の配信、オンラインイベント『大森靖子の続☆実験室@家』の開催、『シン・ガイアズ配信生ライブ』の開催の6つがアナウンスされている。

 前述の「大森靖子による寄稿文:『コロナ以降』のカルチャーに望む、価値観のアップデート」の終盤には、「孤独を尊重すること」という言葉が登場する。そのように個を尊重すると同時に、大森はファンを「孤立」させないように細心の注意を払っているようにも見受けられる。

 日々更新される『♥今日のおやすみ弾語り』に加え、現在のところ週1回ペースで更新されている『復活!大森靖子ミッドナイト清純異性交遊ラジオ』によって、ファンの抱える非日常に空いた空白はかなり埋めあわされているはずだ。『復活!大森靖子ミッドナイト清純異性交遊ラジオ』の初回で、突然空いた時間に休めないと大森は早口で話していたが、それがファンの孤独を癒していることは、コメント欄の反応を見れば明らかだ。YouTubeでは、これと並行してZOCのメンバーがパーソナルヒストリーを語る動画も公開され続けている。ここでも多数のコメントが投稿されている。

復活!大森靖子ミッドナイト清純異性交遊ラジオ #2 2020.6.11 #せいこりん

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