BTS、次のアルバムは“外”へ向けたアプローチに? メンバーの発言から考え得る様々な可能性

 いずれも印象的だったのは、前作の内省的な自分語りや重くメロウな楽曲とは対極にあるような、明るく素直で親しみやすいような等身大の曲をやりたいという雰囲気が感じられたことだ。特に、最年長のJINが「もっとポップで気楽なアプローチの曲に戻ってもいいと思う」という例に挙げた「春の日」は、JINだけでなく他のメンバーも「友人達の間で一番話に出る曲」と言っていた通り、韓国のアイドルファン以外の一般層の間では、最も知られているBTSの代表的な楽曲の1つとされている。今までは国は関係ないものの、全体的にはファンドムを核とした“内”へのアプローチが目立ってきたが、次のアルバムは久しぶりに“外”へ向けたアプローチの楽曲や、コンセプトやメッセージよりも純粋に音楽的な楽しさが前面に出された楽曲が聴けるのかもしれない。

BTS (방탄소년단) '봄날 (Spring Day)' Official MV

 楽曲数は7周年にちなんで7曲、曲配分は全員曲とその他が4:3くらい(場合によっては『花様年華』シリーズ以来のSkitが復活の可能性も……)という目安は出たものの、タイトル曲や配分など細かい部分は所属事務所との話し合いが必要とのことで、この先随時変わっていく可能性も高いだろう。ユニットやソロも関しても、「ボーカルライン曲をやるなら今度はもっとトレンディな感じがいいな。ラップソングみたいな(JUNG KOOK)」、「ツインボーカル用の曲を書いてるけど変更も出来る」というVや、あらゆるメンバーに「何かやるなら準備出来てるよ」というアプローチを送っていたJIMIN、「大人子供チームとBeautifulがいい(RM・JIN・SUGAとJ-HOPE・JIMIN・JUNG KOOKの過去ユニットより)(J-HOPE)」、「とうとうミニミズ(JIMINとSUGAのユニット。名前の“ミン”とminiをかけている)を指揮する時が来たか……JIMINのラップが前から見てみたい」というSUGAなど、様々な可能性が考えられそうだ。

 7月には4枚目の日本オリジナルアルバム『MAP OF THE SOUL : 7 ~ THE JOURNEY~』がリリースされるが、そちらのタイトル曲「Stay Gold」は日本オリジナルならではのボーカルが堪能できそうなミドルテンポの楽曲で、JUNG KOOK作曲の楽曲も収録されることが決まっている。こちらは『MOTS』シリーズの番外編とも言えるだろう。リアルでのコンサート予定はまだ不透明ではあるが、随時公開される配信や動画を追いながら新作を楽しみに待つのもまた、ファンにとっての“ニューノーマル(新しい日常)”となっていくのかもしれない。

BTS 'MAP OF THE SOUL : 7 ~ THE JOURNEY ~' SPOT

■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
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