欅坂46 石森虹花、グループで独特の立ち位置を確立 被災によって芽生えたアイドルへの強い思い

欅坂46『黒い羊』(TYPE-B)

 4月24日発売の『B.L.T.』6月号が好評だ。表紙を飾ったのは菅井友香、渡辺梨加、渡邉理佐、田村保乃、松田里奈の5名。「欅坂46の真実を、知る。」と題して、5名をはじめとした多くのメンバーが誌面に登場した。また、証言特集「欅坂46について今、思うこと。」の項では『欅って、書けない?』(テレビ東京)のMCである土田晃之とハライチ澤部佑、ナレーターの庄司宇芽香、振付師のTAKAHIROが熱いコメントを寄せている。グループのこれまでを知る上でも、そしてこれからの動向を探る上でもファン必携の一冊である。なかでも石森虹花と齋藤冬優花の2人による対談は読み応え十分。グループの軌跡を辿る1万字に及ぶ充実した内容から、2人のグループ愛が伝わるものとなっている。

 5月7日に誕生日を迎え、23歳となった石森。同書でも「グループの語り部のような存在」と表現されているように、彼女はグループでも独特の立ち位置を確立している。今回はそんな石森に注目してみたい。

 石森は、1997年生まれで宮城県出身。彼女がアイドルを目指すきっかけとなったのは2011年の東日本大震災だったという。当時13歳だった彼女はその頃の心境を自身のブログでこう綴っている。

この震災のとき生活のライフラインが全て止まり真っ暗で不安な日々…

唯一、ラジオで音が聴けるくらいでした。

今までの生活とは一転して

町から明るさもなくなり、人との会話もなくなりました。

『どうしたら笑顔がみれるの?』

『どうしたらみんな少しでも嬉しい気持ちになってくれる?』

13歳だった私にはただ思うことしかできず

無力だったんです。
公式ブログより

 震災によって辛い日々を送る被災地の人びと。宮城に住んでいた中学生の彼女もそれは例外ではなかった。しかしそんな時、被災地に復興ライブで訪れたアイドルに勇気づけられたという。

トラックの小さなステージ。

その中で歌って踊っている姿が頭から離れません。

見ているお客さんはみんな、辛いはずなのに笑顔で手拍子をしているんです。

その時に、私のアイドルに対する思いが一気に変わりました。

『今度は私がみんなを笑顔にするんだ…』
(同ブログより)

 石森は、一期生の中でも年上メンバーとして、グループ全体を見守る”お姉さん”的な立ち位置でありながら、同時にパフォーマンス面でもグループ内ユニット・五人囃子のメンバーとして高いスキルを発揮してきた。大きくダイナミックなダンスはメンバーの間でも評価が高い。被災によって芽生えたアイドルに対する人一倍強い思いが、活動へのモチベーションになっているのだろう。「グループをこうしたい」といった前向きな姿勢や意識を彼女からは強く感じる。

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