B’z、不安な時代を明るく照らした「“HOME” session」 互いを思いやる温かいパフォーマンスの力

 「B’z “HOME” session」は、4月27日にB’z公式YouTubeチャンネルで公開されるやすぐ話題となった。まず、松本が奏でるオールディーズのアメリカンロックを思わせるような、アコースティックギターの響きに耳を奪われる。続けて稲葉のカウントによって、レスポールのエレキギターに持ち替えてイントロのフレーズが奏でられる。たった2本のギターにも関わらず実にゴージャスに聴こえるのは、松本のギタープレイによるものだろう。運指やカッティングの角度など細かいところまで確認できるのは、ギタリストを志す者にとっては実に貴重な機会でもある。加えて稲葉のボーカルは、いつもより柔和に感じられて非常に心地良い。画面に向かって訴えかけるような動きや、歌詞に合わせて深呼吸をする仕草など、いつものド派手なパフォーマンスとはひと味違った抑えめの動きが逆にリアルで、画面を通して2人の想いが伝わってくる。2人のプライベートスタジオの様子が見えるのもファンには嬉しいだろう。

B’z “HOME” session

 4月30日にはこれを元にしたバンドセッション動画「B’z “HOME” Band session」も公開された。昨年開催されたツアー『B’z LIVE-GYM 2019 -Whole Lotta NEW LOVE-』のサポートメンバー4人を加えたもので、ライブのアコースティックコーナーを目の前で見ているような臨場感と優しく響くバンドサウンドが秀逸だ。2人の時のリラックスした雰囲気はそのままに、「HOME」という曲に乗せた温かさや相手への思いやりがさらに感じられるものになっている。バンドというものは、メンバー全員が歩調を合わせて、相手を尊重しながら自分自身も個性を発揮していくのが理想。少し大げさかもしれないが、ここにこそ今求められる社会の在り方があるのかもしれないと感じられた。

B’z “HOME” Band session

 また「B’z “HOME” session」に先駆けて、稲葉浩志とスティーヴィー・サラスによるユニットINABA/SALASも、3年ぶりのアルバム『Maximum Huavo』から「IRODORI」のセッション動画を公開。犬のニット帽を被ったサラスのユーモラスな表情もあいまって、プライベート感が溢れるこの動画では、稲葉のエモーショナルな歌声と豊かな表現力、さらに人間臭さが溢れる言葉で思いが綴られた歌詞に喝采が集まった。

INABA / SALAS “IRODORI” session

 B’zと言えば「LOVE PHANTOM」や「ultra soul」などのド派手なアッパーソングで知られるが、「ALONE」や「今夜月の見える丘に」「永遠の翼」など心の機微を歌ったミディアムナンバーやバラードのヒットも数多い。これら名曲の数々は、どれもスーパースターでありながら、自身もみんなと同じひとりの人間であるという視点から生まれている。常に聴く人を思い楽しませることを心がけ、ファンやサポートメンバーと家族のように接するB’zの2人の心意気が、これらセッション動画には溢れている。

■榑林 史章
「山椒は小粒でピリリと辛い」がモットー。大東文化大卒後、ミュージック・リサーチ、THE BEST☆HIT編集を経て音楽ライターに。演歌からジャズ/クラシック、ロック、J-POP、アニソン/ボカロまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。主な執筆媒体はCDジャーナル、MusicVoice、リアルサウンド、music UP’s、アニメディア、B.L.T. VOICE GIRLS他、広告媒体等。2013年からは7年間、日本工学院ミュージックカレッジで非常勤講師を務めた経験も。

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