嵐、V6、King & Prince......演出を超えた先の人間性を覗きみれる、ドキュメンタリー映像の奥深さ

若きKing & Princeの奮闘

 FODプレミアム、Netflixでみられるのが『連続ドキュメンタリー RIDE ON TIME』。なかでも2018年と2019年に放送されたKing & Princeの回は、デビューの瞬間、そして2年目を迎えて状況が様変わりした彼らの奮闘ぶりを観ることができる。

 新曲のMV撮影に挑むKing & Prince。永瀬廉の「キンプリファイターズ勝つぞ!」の声に、メンバー全員で「オウ!」と気合を入れる。その掛け声には、まだまだ初々しさを感じた。

公式】新ドキュメンタリー番組 RIDE ON TIME~時が奏でるリアルストーリー~10月5日(金)深夜スタート

 デビュー以降、立て続けに映画出演した平野紫耀。インタビューは2日間で29媒体に及んだ。右肩にはアレルギーによる赤い発疹。大きい仕事のあとに体調を崩しやすいと明かした。「三本締めもせずにそのまま病院へ行ったこともありますし、この間の舞台ももどしながらやってたので」と語る。それでもカメラを向けられれば笑顔をみせる。誤魔化しようのない身体の反応と笑顔に胸が痛んだ。

 岸優太も「手を抜けば未来はない」の言葉を胸に刻んで自分を追い込んでいた。ダンスレッスンに集中しすぎるあまり、休憩もとらずに続ける岸を心配したスタッフ。休憩を勧めるも集中が勝り、神宮寺勇太の誘導でようやく動きを止める。デビュー2年目は、前年と比べて多少の余裕が生まれるものかと思いきや、身を粉にして挑む姿が。演出もないリアルな映像だった。

 ファン以外の人の目にもふれる配信サービスを活用したことで、これまでジャニーズの世界に触れてこなかった層からの反響を耳にすることが増えた。別のグループを応援していたが、新たな扉を開いた人も多いのではないだろうか。

 表舞台では物事について、こと細かに語られる機会は思いのほか少ない。それだけにドキュメンタリー映像は、一歩踏み込んで知る機会であり、ある種の答え合わせのような役割も果たす。和気あいあいとした期待通りの場面もあれば、時にはそうではない関係性を感じ取ることだってある。

 映像が彼らのすべてではないが、人に夢を与える仕事はどんな雰囲気のなかでつくられていくのか、楽屋ではどんな表情で、どんな風に過ごしているのか、わずかな一コマに触れただけでも視野が広がる。準備と努力、追い込む姿、和気あいあいとしながらも、本番直前にしか見せない顔つき……表舞台での輝かしい活躍もあれば、アイドルも同じ人間なのだと感じる一面もある。どれだけ演出がなされようとも、それを超えた先に感じる人間性に魅了されるのだ。

■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。

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