JO1、洗練されていくパフォーマンスと表情 『1st FANMEETING』や「おうちで無限大チャレンジ」から分析
高みを目指して、洗練されていく技術
元々高いダンススキルを持っていたメンバーも、持っていた技術をさらに洗練させている。
センターを務める豆原一成は、エネルギッシュな曲では力強く、バラードでは切なく、とどの曲も見事に自分の物にしている。最年少ながら、ずっとそこが彼の場所であったかのようにJO1の中央に立つ姿は、JAMに納得と安心感を与えてくれた。
川尻蓮は、もともと表情も含めてダンスパフォーマンスの完成度が高かったが、ファンミーティングではさらに自由な彼を見ることができたように思う。また、別企画で川尻一人でのダンスレクチャーも公開中なので、難しいパートをゆっくり丁寧に教えてもらいたい人は要チェックだ。
個々の魅力を発揮する「表情」
11人揃ってハイレベルなダンススキルを披露する様子は、それだけで圧巻である。その中でも、筆者が注目したのは「表情」だ。
プデュのステージでも、彼らはカメラに抜かれるたびにしっかりキメ顔を披露してきた。決して油断していたことはない。だが、ファンミーティングのステージで見せる表情には、より深く味付けされているように感じるのだ。
こちらを挑発するような強気の表情、憂いを帯びたセクシーな目つき、ステージに立つのが楽しくて仕方がないといった満面の笑顔。その表情は、つい溢れ出たものなのか、ファンを魅了するための“表情管理※”なのか(※K-POP用語で、TPOに応じて表情をコントロールすること)。どちらにせよ、彼らのパフォーマンスは、一段上のレベルに上がったと言えるだろう。
白岩瑠姫は、“王子”を自身のキャッチコピーにするだけあり、常にファンが求める表情の最適解を打ち出してくる印象だ。クールなキメ顔や切ない微笑を使いこなし、ここぞという時に満面の笑顔を浴びせられると、まるでこちらの思いが届いたようで、目が離せなくなってしまう。
鶴房汐恩、木全翔也、大平祥生といった、どちらかというと整った冷静な表情を武器にするメンバーが、カメラに抜かれた時、一瞬口角が上がった微笑が見えたりするとたまらない。また、佐藤景瑚は常に“佐藤景瑚らしい”表情でステージを支配し、「Running」で誰かと並ぶような構図となっても、彼らしさがまったく損なわれない様子には舌を巻く。
特に「YOUNG」については、プデュ最終回のステージで披露された時と比べると、その違いは明白である(もちろん、サバイバルオーディションという枠組みの中で研ぎ澄まされたクールな表情も、ここでしか味わえない魅力なのだが)。
ボーイズグループ・JO1として歩み出した彼らは、新たな魅力を次々と獲得し始めている。初めての楽曲リリース、初めてのファンミーティングで、ここまでの物を見せてくれるグループであることに、改めて感動を覚える。
JO1とともに、ファンの結束力も進化?
このほか、JO1は『無限大Radio』(文化放送)でもトレンドをさらった。『文化放送ライオンズナイター』を放送予定だった夜ゾーンに、初の冠ラジオ番組『無限大Radio』として、與那城奨、白岩瑠姫、河野純喜の3人が生出演。他のメンバーもコメントで出演し、「元気の出るプレイリスト」をリスナーに届けた。
ラジオの放送中、「#無限大Radio」「#JO1」はもちろん、與那城が最近買った「#懸垂バー」や、河野の部屋に飾られた「#黄色い猿のおきもの」、白岩が披露したギャグの「#ホイコーロー」といった、トークで光った個性的なワードが次々Twitterのトレンドに。
こういったことはプデュの番組中も見られたが、JO1のデビュー後は伸び方が著しい。JO1が成長すると共に、“JAM”が団結してトレンド入りを目指す動きも、磨きがかかっているのだ。
■宮崎栞
編集・ライター・プランナー。編集プロダクションでエンタメ系の書籍・雑誌制作に多数携わり、現在フリーランスとして活動中。Twiter(@siorin7work)