w-inds. 橘慶太×岡崎体育対談【後編】 コラボ曲制作の上でも鍵に? ゲームを通じたコミュニケーションの大切さ

橘慶太×岡崎体育対談【後編】

二人のコラボ曲、なぜ“任侠もの”MVに? 制作秘話を語る

橘:最後に「Tokyo Night Fighter feat. 岡崎体育」についても話していいですか? 突然お願いしたのに引き受けてくれてありがとうございました。ソロアルバムのリード曲でやりたいジャンルとかイメージはあったんですけど、それを一人でやるっていうのがどうも自分の中でしっくりこなくて。曲ができた途端に「これは岡ちゃんとやったら一番面白いんじゃないか」ってひらめいて、そのテンションのままLINEしちゃったんです。2週間後くらいにライブがあるのも知ってたんですよ。

岡崎:大阪でアリーナクラスのワンマンがあった時期ですよね。

橘:さいたまスーパーアリーナでワンマンをやったとき、岡ちゃんは自分のゲーム機をソニーに送ってゲームができない環境にしてライブの作業を1カ月くらいやってたのを知ってたから、今回もきついよなと思いながらも、どうしてもやりたくて連絡しちゃったんです。そしたら「ぜひやりましょう」って、突然のオファーにもかかわらず受けてくれて。スケジュールもタイトな中。

岡崎:でも僕のワンマンが終わってから制作にとりかかるようなスケジュールを組んでくださったので、めちゃめちゃ気持ちよくできました。

橘:曲作りは僕の中にやりたい世界観があったので、最初に歌詞とメロディを自分のパートとサビだけつけて岡ちゃんに投げて、岡ちゃんのパートを書いてもらった感じでしたよね。

岡崎:そうです。それを受け取って「『Tokyo Night Fighter』やろ、絶対任侠ものや」って思って、それっぽい歌詞が半分くらいできたところで「今こんな感じで作ってます」って送ったら「いや『Tokyo Night Fighter』はアイドルとかが東京で一生懸命頑張ってる曲だよ」って言われて「すいません、俺ゴリゴリ任侠ものだと思ってました」っていう。

橘:それもサッカーのオンラインゲーム中に聞いて(笑)。「任侠ものと捉えたか!」って思ったんですけど、それはそれで面白いからそのまま書いてってお願いをして。結局2パターン作ってくれましたよね。

岡崎:そうそう。アイドルって言われたんで、アイドルのパターンと任侠もののパターンも一応送って。そしたらなぜか任侠ものの方に。

橘:任侠ものが面白すぎた(笑)。で、「任侠ものだったら、僕MVでヤクザになりますわ」ってふざけて言ってたから、スタッフに「岡ちゃんヤクザやるから、そういうMVになる」って伝えました(笑)。

岡崎:マネージメントとレコード会社が真に受けすぎたっていうのはありますね。

橘:岡ちゃんの勘違いから、あのMVができたっていう(笑)。

岡崎:完全に僕のミスリードから始まった話ですね(笑)。

橘:おかげさまで僕はめちゃくちゃいい作品になったなって思いますけどね。

岡崎:トラック自体がサイバー感のあるかっこよさだったんで、これは“ネオサイバーヤクザ”みたいなものになったらかっこいいだろうなって思ってました。

KEITA / Tokyo Night Fighter feat. 岡崎体育

橘:MVも完全にやりきってますから。レコーディングも一緒にやりましたね。

岡崎:ボーカルディレクションをしてもらって。レコーディングのときに「あ、橘慶太さんだな」っていうのを感じましたね。めちゃくちゃテキパキしてるし、ここのところもう一回っていう判断がすごく早いし、頭の回転も早い。ダラダラした現場が僕は得意じゃないので。1時間ぐらいで終わって、やっててすごく気持ちよかったです。

橘:岡ちゃんはどんな場所にも音楽にも馴染めるというか、カメレオンっぽいところがすごい。面白いことをやってると思ったら、「Tokyo Night Fighter」はめちゃくちゃかっこよかったりするし、それこそさっき言ったソウルファンクっぽい感じもできるし、どこでもどんな顔でもできるんだなっていうのに、岡崎体育ならではのエンターテインメント性を感じて感動しました。

岡崎:それはどこにでも馴染めるわけではなくて、やっぱり自分がリスペクトしているものや自分がやりたいものではないと馴染みにいかないので。慶太さんはツーマンライブをやらせてもらったときからすごくよくしてくれてるし、音楽的にも最近のw-inds.の曲は全部慶太さんが作ってるっていうのを知ってから、トラックもむちゃくちゃかっこいいし、すごい人なんだなって感じてます。そういう人と一緒にいつも仲良くゲームをやらせてもらったり、楽曲に参加させてもらったり、ご飯に一緒に行ってもらったりして、本当に自分の一回きりの音楽人生の中で、いい先輩を持ったなっていうのは感じてて。あと他に慶太さんの良いところは……

橘:シュートがうまいよね(笑)。

岡崎:そうですね、ペナルティエリアの中での動きはやっぱり。オンライン上でも判断力がすごい(笑)。

橘:ゲームで普段からコミュニケーションをとってるからこそ、制作もスムーズにできたっていうのはあるかもしれないですよね。

岡崎:制作のスムーズさもそうですし、コラボ自体が決まったことに関しても、やっぱりゲームはすごく大事だなって。

橘:オンラインゲームで輪を広げていく大切さを今回は伝えておこう(笑)。

岡崎:オンラインゲームの話、もうちょっといいですか? やっぱり抵抗がある人ってまだいると思うんですよ。ゲームばっかりして、みたいな。でも、同じ職種であるミュージシャンとゲームをやってるのもそうなんですけど、今のゲームって進化してるからボイスチャットでいろいろ話をするわけですよ。対戦相手を検索してるときとか、待機時間とか、いろいろ音楽の話をするので。そこでそういう音楽があるんだとか、自分と全然ジャンルの違うバンドの人、ダンス&ボーカルグループの人、ソロの人、弾き語りの人、いろんな人といろんな話ができる。ゲームはコミュニケーションツールとしてもすごく大切なものだと感じてるんですよね。

橘:僕の場合もバンドの人と普段関わることはほとんどないですけど、ゲームをやってるとバンドのドラムの方とかギターの方とかいろんな人がいるんですよ。そうするとやっぱりそこからいろいろなことを知ることができて……って、なんでこんなにオンラインゲームの話をまともに(笑)。いや、でも音楽をやる人たちの大事なツールになってるっていうのは間違いないですよね。ただ遊んでるだけではないと。

岡崎:ないですね。

橘:ま、遊んでるんですけどね(笑)。

岡崎:遊んでることを今、正当化しようとしてます(笑)。

橘:すみませんでした(笑)。でも、ゲームのメンバーでいつか音楽を作りたいなって思ったことはありますよ。

岡崎:いいですね。みんなで曲作ってみたいですね。

連載バックナンバー

・【第5回】岡崎体育
・【第4回】NONA REEVES 西寺郷太
・【第3回】Yaffle(小島裕規)
・【第2回】KREVA
・【第1回】m-flo ☆Taku Takahashi

岡崎体育「ニニニニニ」

■岡崎体育リリース情報
「ニニニニニ」
配信はこちら

■番組概要
放送局:NHK総合テレビ
番組名:よるドラ『いいね!光源氏くん』
放送日:総合テレビ 2020年4月4日(土)スタート 
※毎週土曜 午後11時30分から11時59分(全8回)
<原作>
えすとえむ
<脚本>
あべ美佳
<音楽>
小畑貴裕
<主題歌>
岡崎体育「ニニニニニ」
<出演>
千葉雄大 伊藤沙莉 桐山漣 入山杏奈 神尾楓珠 ほか 
<演出>
小中和哉 田中諭
<制作統括>
管原浩(NHK) 竹内敬明(テイク・ファイブ)

「いいね!光源氏くん」番組ホームページ

岡崎体育 Official HP

■KEITAリリース情報
3rd Album『inK』
2020年3月25日(水)

KEITA / Making of "Someday" Teaser
KEITA配信サイト

初回盤(CD+DVD)豪華デジパック+スリーブケース仕様 ¥4,545+tax

<収録楽曲>
01. Don’t Leave Me Alone
02. Be On The Stage
03. Around N Around
04. Lonely Night
05. I Gotta Feeling feat. ISH-ONE, GASHIMA
06. Tokyo Night Fighter feat. 岡崎体育
07. Too Young To Die
08. Live For Yourself
09. Hopeless Place
10. Y.E.S
11. Nothing Lasts Forever
12. Give Me Somemore
13. Angel
14. Someday

<DVD収録内容>
「Someday」メイキング映像

通常盤(CD only)¥2,727+tax

<収録楽曲>
01. Don’t Leave Me Alone
02. Be On The Stage
03. Around N Around
04. Lonely Night
05. I Gotta Feeling feat. ISH-ONE, GASHIMA
06. Tokyo Night Fighter feat. 岡崎体育
07. Too Young To Die
08. Live For Yourself
09. Hopeless Place
10. Y.E.S
11. Nothing Lasts Forever
12. Give Me Somemore
13. Angel
14. Someday

KEITA オフィシャルサイト

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