『新あいどる聖書』インタビュー
香椎かてぃ、“超下克上”を目指した軌跡 ZOCでの活動や大森靖子への思いも語る
ファンの人に嘘はつきたくない
ーーもし自分がZOCに入ってなかったら、今頃どうなっていたと思います?
香椎:アイドルはやりたかったので、どっかでアイドルをしてたんじゃないかな。それか、アパレルの仕事をしてたと思います。
ーーももいろクロ―バーZが好きだったし、でんぱ組.incの「W.W.D」に救われたという話もあったじゃないですか。ああいう色鮮やかなアイドルをやれていたと思います?
香椎:うーん……無理ですね。私、ももクロのライブを見て、「このステージに立ちたい」って思ったんですよ。理想はあーりん(佐々木彩夏)なんですね。「あーりんとしてアイドルをやれているか?」と思ったら全然やれていなくて。
ーー理想のアイドルに自分がなれないという挫折や絶望はありましたか?
香椎:絶望したから、今の素直な自分が見つかりましたね。「やっぱり、アイドルの皮をかぶることは無理だ」って思いました。
ーー今、「アイドルだな」と自分で一番確信する部分はどこでしょうか?
香椎:うーん……ないんじゃないかなぁ。自分がどうというよりは、ファンの人の反応で実感できるというか。「あのとき自殺しなくて良かった」とか「ライブを楽しんで我に返った」と言われて、「アイドルとして、できたんじゃないか」って思います。あとは、「『family name』を聴いて生きようと思った」ってたくさん言われて、「アイドルになれたな」って思います。やっぱり、曲がいいだけではなくて、人が関わってアイドルなので。ZOCでできたものを喜んでくれたら、全部嬉しいです。本当に。
ーー本の中では、ファンの人に対して「嘘をつかない」ということを強調していますね。きっかけは何かあったんですか?
香椎:昔やっていたアイドルのとき、とあるアイドルの人に楽屋で思いっきり悪口を言われたんですよ。でも、その人はネットでは、「めちゃくちゃかわいい! ぶりぶり」みたいな感じのアイドルで、ギャップがすごくて。今でもトラウマレベルで覚えているんですけど。だから「私生活とのギャップがあるようなアイドルにはなりたくない」と思って。嘘はつきたくないですね。
ーーZOCのメンバーのコメントでは、MV撮影やレコーディングで泣きだすっていう話があったじゃないですか。なんで泣いちゃうんですか?
香椎:恥ずかしい(笑)。もう……超コンプレックス。自分の声が聞こえるのがきつくて「自分が歌ってる……」みたいな。MV撮影も初めてだったので恥ずかしかった。でも、最近はさすがに慣れて、逆に楽しいというか、「良いものを見せたい」という意識になりました。「恥ずかしい」と言っていられない。
ーー巫まろさんが加入した後のZOCの変化はどう感じていますか?
香椎:ライブのゲネをやったときにいろんな人が見に来てくれたんですけど、「アーティストになった」とか「すごい良くなった」と言われました。
ーーちなみにまろさんって、かてぃさんが言うピラミッドの中だと、どういう関係性になるんですか?
香椎:まろちゃんに対しては、普通にメンバーと思ってます。でも、新しい風が吹いた感じはしました。あんなに清楚なのに、ZOCらしい一面がある。びっくりというか。
ーー横須賀の友達には、「ファンが離れる前に、勝手にぶっ壊れそう」とか、人前からいなくなるんじゃないかとか言われていますが、かてぃさんはどうなると思います?
香椎:私的にも本当そんな感じがします。いつか、記憶が突然なくなる気がします。
ーーZOCをやっている間は大丈夫ですか?
香椎:はい、ZOCではなくて。まぁ……自分が満足したらスパッと。その後はどっかに逃走します。
ーーみんなの前からいなくなっちゃうかもしれない?
香椎:いなくなりたいですね。「あの人は今?」みたいなのあるじゃないですか。そういうのは嫌だから、みんなの記憶から消えます。いつか消えさせます。私が消えるし、きっとみんなも記憶がスパッとなくなるので。
ーー裏を返すと、みんなに注目をされるのは、プレッシャーもありますか?
香椎:……はい。やっぱり、応援してくれている状況って賞味期限があるんですよ。きっと、みんな。
ーーでも、このインタビューを読んだら、「ずっと好きだよ」というファンの人もいっぱいいると思うんですよ。そういう人たちには何て言いますか?
香椎:……今は、誰かの人生を楽しくさせたり「がんばろう」って思ってもらいたい。だからできる限りのことをやります。でも期限が来たら、パッと。誰かにバトンタッチをするときが来るので。
ーーみんな「そんなことないよ」って言いそうな気がしますけどね。
香椎:はい。でも気分屋で、これも今考えてることなので、全然変わりますね。
ーーずっといるかもしれない?
香椎:はい。ワンチャン大工とかして、みんなの家を直したりするかもしれない。
ーーあはは、二世帯住宅にしちゃうかもしれないと。
香椎:それくらいわかんないっていうことですよ(笑)。
■書籍情報
『新あいどる聖書』
著者:香椎かてぃ
発売:2020年4月24日(金)
定価:本体2200円+税
判型:B5判
発売元:株式会社 扶桑社
ISBN:978-4-594-08451-6
香椎かてぃ Twitter(@KatyHanpen)
香椎かてぃ Instagram(@pantykaty)
サイン本プレゼント
応募方法
リアルサウンドの公式Twitterと公式Instagramをフォロー&本記事ツイートをRTしていただいた方の中から抽選で香椎かてぃサイン入り『新あいどる聖書』を3名にプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
リアルサウンド 公式Twitter
リアルサウンド 公式Instagram
<応募締切>
2020年5月10日(日)