でんぱ組.incから=LOVEと≠ME、バンもん!、ラストアイドルまで テレワークによる“チーム力”結集したコンテンツ

 4月15日、でんぱ組.incが新曲「なんと!世界公認 引きこもり!」のMVを公開した。この曲とMVの制作は、すべてテレワークで行われた。MVが完成したのは公開の前日、4月14日。企画が始まってからMVが完成するまで、その間わずか8日である。

でんぱ組.inc テレワークMV「なんと!世界公認 引きこもり!」

 事の始まりは、でんぱ組.incのプロデューサー・もふくちゃんによる以下のツイート。

でんぱ組.inc『愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』

 これ以降、ハッシュタグ「#でんぱ新曲作るんさ」を通じて、制作の進捗がリアルタイムで公開されていた。その動きを見てSNS上で「面白そう」と反応した人、もふくちゃんから指名された人など、これまででんぱ組.incの活動に携わってきたクリエイター(+ファン)が企画に参加することに。クレジットはYouTubeの概要欄に記載されているので、そちらを参照していただきたい。

 関係者のツイートや、MV公開直後にLINE LIVEで行われた配信番組「#でんぱ新曲作るんさ 完成記念 スタッフ打ち上げZoom座談」を基に、8日間を振り返りたい。

1日目

・もふくちゃんがファンへアンケートを実施。その結果、BPM200超の曲を制作することが決定(参考)。

・浅野尚志(作曲)が途中経過を報告(参考)。

2日目

・浅野による作曲工程が終了(参考)。

・前山田健一(作詞)による作詞工程が終了(参考参考2)。

・YGQ(サウンドディレクション)が釣 俊輔(編曲)に指示を出し、編曲工程がスタート(参考)。

・メンバーがレコーディングに向けた練習・準備を始める(参考:古川未鈴Twitter相沢梨紗Twitter鹿目凛Twitter成瀬瑛美Twitter藤咲彩音Twitter)。

3日目

・YGQがファンに協力を要請。コーラス音源の募集を始める(参考)。

4日目

・YGQがメンバーのボーカルとファンのコーラスが入った音源を公開(参考)。なお、600トラックにも及ぶコーラス音源を編集したのは、ミックスエンジニアの西 陽仁(ONEly INC.)である(参考)。

 ボーカルのレコーディングをする際、メンバーは音響や近隣への迷惑を考慮し、布団をかぶる、押し入れに入る、カーテンに向かって歌うなど、それぞれ工夫したそう。家で各自がレコーディングをする場合、「レコーディングに立ち会う」という形でのボーカルディレクションが不可能になる。それについて、相沢梨紗は「ボーカルディレクションがなかったのが怖かった」と語り、YGQは、各トラックのテンションの差によるやり直しが発生したことを明かした。

・MVディレクターとして森本敬大がアサインされる(参考)。

・メンバーの自宅にグリーンバックが届き、それぞれが撮影を開始。MVを森本に発注する前の段階からグリーンバックを使用すること自体は決まっていたため、通販サイトで手配済みだったそうだ(参考:鹿目凛Twitter古川未鈴Twitter相沢梨紗Twitter成瀬瑛美Twitter根本凪Twitter藤咲彩音Twitter)。

・YGQがファンに呼びかけ、MVに使用する背景画像の募集を開始。結果、収集するのに半日かかるほどの量が集まる(参考)。

5日目

・釣俊輔が途中経過を報告(参考)。

6日目

・各ミュージシャンがレコーディングを実施(参考:田中航TwitterIKUOTwitter板垣祐介Twitter門脇大輔TwitterハヤシTwitter)。

・Yumiko(MV振り付け)による振り付けが完成。メンバーへのレッスンが完了したことを報告(参考1参考2)。

 通常、振り付けは音源が完成してから発注されるため、今回のように編曲と振り付けが併行して進むのはレアケース。また、古川未鈴は、オンラインでダンスレッスンを行う場合、インカメラを使用することにより画面の左右が反転してしまうこと、そのため対面でのレッスンとは別の難しさが発生することに言及している(参考)。

7日目

・トラックダウンを行う西らエンジニアチームに、全てのトラックを反映したデータが託される(参考)。

・深夜よりトラックダウンの生中継を開始。音源が完成する(参考)。

 トラックダウンとは、録音した歌や楽器の音量・音質などを調整し、まとめ上げる作業のこと。藤咲彩音がツイートしているように、この工程は普段メンバーさえも見る機会がない。かなり貴重な映像だ(参考)。

8日目

・森本がMVの完成を報告。翌日、YouTube公式チャンネルにてMVが公開される(参考)。

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