「416」インタビュー
清水翔太、新曲「416」タイトルが表すもの アルバム制作に対する思いも語る
「416」という数字に込めた思い
ーー今回の歌詞に「416」という数字は出てきません。タイトルの「416」は何を表しているんですか?
清水:実のところ核心を突くものはないに等しくて。何個か理由はあるんですけど、まず1つは、僕が東京に来て3回目に住んだ家の部屋番号が614なんです。僕、そのときいちばん楽しかったんですよ(笑)。
ーー想い出がたくさんある。
清水:そう。たくさん良いこともあったし、印象深くて、614という数字がずっと自分の中に残ってるんです。当時、僕は20歳とか21歳くらい。まだまだ青い部分もたくさんあって、書いてる歌詞の世界観と年齢的な部分が近かったんで、614っていうタイトルを仮でつけていたんです。
ーーそれが何故416に?
清水:この曲を書いてるときに、ひとつ大きくイメージしていたのが “時間”だったんです。〈止まってた時間が動き出した 君に会って〉って歌い出してるけど、何かをキッカケに自分の中で止まってたものが動き出すっていうことがわりと今までに多かったんです。恋愛にしても、日々の生活にしても、夢に対しても、結構止まっちゃって、その時間が長くなって、でも何かひとつのキッカケでバーッと動き出すっていう。止まっていた時間が動き出すっていうことがいちばん自分の中で大きくあったテーマだから、そう考えると、数字のタイトルってわりといいかもなと思えてきて。
ーー時計を連想させるし。
清水:そう。だから614でも良かったんだけど、そのままはちょっと嫌だなと思って、416にしてみたら、いろんな場面にかなり当てはめやすい数字で。
ーーたとえば?
清水:4時16分だと、朝にしても、夕方にしても、どっちも起きて行動していておかしくない時間。4時間16分っていうのもすごく良い長さで、歌詞にはデートしている場面もあるから、デートの時間としてもちょうどいい。
ーー映画1本を観て帰るくらいの時間になりますね。
清水:416日でもすごく良くて、1年とちょっとだから、止まってた時間を表している感じにもなるなと。すごくいろんな感じに当てはめやすい数字だなと思って、416がタイトルでもいいかもと思ったんです。
ーー曖昧なぶん、いろいろ想像が働くと。
清水:一応、僕の中での正解もひとつあるんです。最初、好きな子を家まで送るストーリーを考えたんですよ。家まで送って、その子が住んでるアパートの部屋番号が416だったっていうオチにしようと思ったんです。でも、思いが実らなかったから、416っていう数字が自分の中に刻まれて離れないっていう。だけど、タイトルをそのままオチに使うのはなんか嫌だなと思って、家まで送らず改札で見送る流れにしたんです。だから一応、僕の中では彼女が住んでる部屋番号がタイトルっていうところはあるんです。
ーーじゃあ、今後、そのストーリーがくっついたリミックスが出ることを期待してます。
清水:あはは。たぶん出さないです(笑)。
ーーところで、最近、曲を出すペースが緩やかですが、どんな背景や思いがあるんでしょうか。
清水:曲を出すペースに関しては、シングルを出す意味が本当になくなってきてるなと思っていて。
ーー裏返せば、アルバム作りに向けてモチベーションが高まってきているということですか?
清水:モチベーションはプロとして常にありますよ。もちろん良い作品を出したいし、良いライブをしたい。作品を出さないことには何も進まないから、出したいっていう気持ちはあるんだけど、もうモチベーションっていうことでもないというか。常に作品は出したいと思ってるんですけど、そのジャッジが難しくて。
ーーけど、納得のいくものができない。
清水:そう。ただ、それを考え出すと、自分の納得がいくアルバムが完成しない限り、シングルが出せないことになっちゃうから。いちばん良いのはアルバムが全部できてからシングルカットしていくことなんだけど、そういうわけにもいかないし、みたいな。作品はメッチャ出したい。出したいんだけど、自分が納得いくところを考え出すとキリがないようになってきちゃっていて。
ーー自分とのせめぎ合いが生じていると。
清水:そうなんです。手元にあるコレなら出せるから、出して反応を見てみたいとか。でも、それを出すことによって、アルバム作りが難しくなっていくっていう悪循環も感じていて。
ーー曲を作るペース自体はどうなんですか?
清水:以前よりは緩やかになっていますね。けど、できてもいる。
ーーペースは遅いけど、納得のいくものができあがってきていると。
清水:ただ、冒頭で話したように今、方向性が何個もあって、その方向性に沿って自分が良いなと思ってるものができちゃってるから余計に難しい。僕、ゴチャッとしたアルバムはあまり好きじゃないんです。統一感が欲しい。だから、今回、「416」を出すことによって、この曲と「Breathe Again」がひとつのアルバムに混ざってるというのはどうなんだ?とか考えちゃうから。そういうところも意識していくと、よりアルバム作りが難しくなってる。
ーーじゃあ、テーマ別に5枚くらいEPを作るのはどうですか?
清水:それがいちばん良いと思う(笑)。それが良いと思うけど、それが売れるとも思わない(笑)。
ーーところで、最近は家でゲーム三昧のようですが、ゲーム実況YouTuberをめざしてるんですか?(笑)
清水:やりたいですね(笑)。それには理由もあって。主軸となっている音楽を作ることとライブをすること以外、あまりやりたがらないんですよね、僕。テレビに出るとかやりたくないけど、もともとネットの世界で生きてた人間だから、ネット上で何かするっていうのはすごく居心地が良くて。それに自分の存在とかキャラがマジで誤解されてるなという感じもずっとあるから。Twitterでこないだ「どうぶつの森」をテーマにした曲を作ってアップしたときも、エゴサしたら「こんなに良い曲書く人なんだ」みたいな。「もっとチャラいイメージだと思ってた」みたいな声がすごく多くて。ああいうことで僕のことを知ってくれる人が増えるキッカケになるんだったら、実際にゲームは好きだし、好きなことをツールにしてやるのもいいのかなと。
ーー今後はSNSやYouTubeでの発信も増えてきそうだと。
清水:ゲームに限らず、今こういう曲を作ってるよとか、たまにやるけど配信しながらみんなからアイデアをもらって曲を作るとか。今こういう状況の中では、自分のためにも誰かのためにも、なにかできることがあるならやりたいっていう気持ちが強まってますね。
■リリース情報
清水翔太「416」
リリース日:2020年4月15日(水)
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Teaser #1
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