三代目 J SOUL BROTHERS、新曲「Movin’on」が示す『RAISE THE FLAG』以降のアンセム像

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE『Movin’on』

 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(以下、三代目JSB)が、今年3月にリリースした最新アルバム『RAISE THE FLAG』に引き続き、最新シングルとなる『Movin’on』を4月8日にリリースした。

 『RAISE THE FLAG』は、結成10周年イヤーに突入した三代目JSBにとって、これからの10年を占う意味で大きな意味を持つ作品であり、直近のヒットシングルだけでなく、近年の音楽業界ではヒット曲を生み出す鍵になっているバイラルヒットの要素を持った「Rat-tat-tat」が収録されるなど、グループとしての進化を感じる内容となったことは記憶に新しい。(参考:結成10周年の三代目 J SOUL BROTHERS、『RAISE THE FLAG』はグループの進化とこれからの10年を占う作品に)また本作では、サウンド面でもEDM、フューチャーベース、ヒップホップからマーチングバンドサウンドなどが取り入れられ、近年の音楽トレンドの今様を体現。そのような多彩な音楽性を見せたことでもポップスにおける様々なワールドクラスの先鋭的な要素を持つ作品となっていた。

 『RAISE THE FLAG』でこれからの新たな10年の間でさらなる進化を見せることをファンに予感させた三代目JSBだが、その予感どおり、今回のシングル『Movin’on』は『RAISE THE FLAG』以降の作品に相応しい攻めた姿勢が感じ取れる作品となった。それがはっきりと見て取れるのがタイトル曲の「Movin’on」だろう。

 同曲のプロデュースはこれまでにも「R.Y.U.S.E.I.」、「O.R.I.O.N.」、「S.A.K.U.R.A.」、「Summer Madness」など三代目JSBのヒット曲を手がけてきたSTYだ。しかしながら、今作はこれまでのSTYプロデュースの三代目JSBヒットが踏襲していたEDMスタイルではなく、疾走感のあるビートに乗って進むドラムンベーススタイルになっていることに注目したい。

 日本ではドラムンベースがポップスに取り入れられること自体がまだ珍しいといえる。しかも三代目JSBのようなトップクラスのメジャーアーティストとなればそれはなおさらだ。しかしどうだ、高速ビート、開放的なシンセ、さらに爽快な歌声など同曲のMVで見られる荒野のハイウェイを駆け抜けるかのごとく、突き抜けていく多幸感あるサウンドは、これまでにも数多くの大規模会場をロックしてきた三代目JSBにとっては、新たなライブアンセムに相応しい曲になっているのではないだろうか。

 またSTYによる三代目JSBプロデュース作品では先述のとおり、EDM系ヒット曲の印象が強いが「Movin’on」のようなドラムンベースにも精通しており、これまでに日本のトップドラムンベースDJとして国内外で知られるDJ AKi、YUUKi MCとともにドラムンベースユニット「ASY」としても活動してきた実績を持つ。そういった経歴を考えると「Movin’on」のドラムンベースサウンドがいかに本格的で玄人も唸るレベルのものであるかがよくわかるだろう。加えて、先ほどドラムンベースが日本ではポップスに取り入られることは少ないと言及したが、このジャンルが全くポップス向きでないかといえば、そうではない。実は日本でも90年代に小室哲哉プロデュースによるH Jungle with t「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント」が空前のヒットを飛ばしたことで知られているが、同曲のジャンルである“ジャングル”はドラムンベースの源流とされるジャンルだ。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる