THE RAMPAGEメンバー分析【入門編】Vol.6:吉野北人
THE RAMPAGE 吉野北人は地道に努力を重ねるボーカリスト 片寄涼太お墨付きの“天然”な一面も
吉野の歌声というと、デビュー当時に公式で紹介されていた“シルキーヴォイス”というキャッチコピーが印象的だろう。とくにデビュー時は、滑らかで透き通った歌声に、彼自身が持つピュアさや素朴さが映し出され、THE RAMPAGEのワイルドな楽曲にフレッシュな風を吹き込んでいた。しかし、アーティストとしての経験値が上がるにつれて、自分に自信がついたのだろうか。今では上品な香り漂うセクシーな歌声が魅力的なボーカリストへと着実に成長しており、アルバム『THE RIOT』についてインタビューした際にも「今は、どんなジャンルもちゃんとお客さんに聴いていただけるクオリティーに達しているのかなって思うので、自信を持って届けられる1枚ができました」(引用:『OUT of MUSIC vol.64』)と語っていた。そんな中、4月22日にリリースされる最新シングル曲「INVISIBLE LOVE」は、好きな女性の愛情を求めてやまない、R&Bテイストのバラード。歌唱時のドキッとするような表情と普段の無邪気な笑顔との、吉野のギャップが際立つ1曲となっている。
2018年には、『PRINCE OF LEGEND』で「Teamネクスト」のダンス王子レッド・天堂光輝役を演じ、俳優デビューも果たした。同作の完成披露上映会&PREMIUM LIVE SHOWでは、同じくTeamネクストのメンバーを演じたTHE RAMPAGEの長谷川慎・藤原樹とともに、劇中でカバーしている「Too Shy」をパフォーマンス。今年公開された映画『貴族降臨-PRINCE OF LEGEND-』の劇中では、かねてよりファンだったというEXILEの名曲「Ti Amo」を披露している。俳優という新たな分野に挑戦する中で、ボーカリスト/パフォーマーとしても進化を遂げているようだ。なお、『PRINCE OF LEGEND』では可愛らしい後輩キャラ、『HiGH&LOW THE WORST』では川村壱馬演じる主人公・楓士雄のクールな相棒を演じてきたが、7月10日に公開予定の映画『私がモテてどうすんだ』では、サブカル系のミステリアスな先輩・六見遊馬役を熱演。『貴族降臨-PRINCE OF LEGEND-』でも鈴木伸之(劇団EXILE)から“顎クイ”、白濱亜嵐(GENERATIONS)から“顎イソギンチャク”をされている吉野が、2作連続で“顎クイ”されていると早くも話題を呼んでいる。
そして、吉野のキャラクターを紹介する上で欠かせないのが、“天然”というキーワード。これまでにもTHE RAMPAGEメンバー達の天然エピソードを紹介してきたが、吉野の場合は先輩である片寄涼太(GENERATIONS)のお墨付き。平日と休日の区別がつかなくなり、片寄からつっこまれたり、差し入れでもらった唐揚げを見て「サーターアンダーギー、すごくおいしそうですね!」と勘違い発言をしたり……彼の天然エピソードは尽きない。(参照:rankingbox)また、おっとりとした雰囲気で自分の世界を貫いているため、一見淡々としているように見えるが、じつはロマンチスト。地元・宮崎の星空を愛し、自分自身も「優しく人を照らす星のような存在でありたい。星って見ていると落ち着くじゃないですか。そんな人になれたらいいですね」と理想を語るほどだ。(引用:SCREEN ONLINE)
先陣を切って勇ましく進んでいく川村と、葛藤しながらも手探りで夢を掴んでいくRIKU。自分のペースで夢を叶えつつ、みんなを優しく照らし出す吉野という、進み方の違う3ボーカルだからこそ、お互いに支え合いながらTHE RAMPAGEをここまで大きく育ててこられたのだろう。実際、RIKUが自分の歌声に対するコンプレックスを明かした際には、「ファンの皆さんもRIKUさんの声を求めてますよ」(引用:『OUT of MUSIC vol.63』)と率先して声をかける場面もあり、吉野は自ら積極的に話を広げていくタイプではないが、メンバーにとっては、そこにいるだけでホッとする存在なのだと感じた。そんな彼がお茶の間にとっても欠かせない存在になるのは、きっと、そう遠くない未来――。2020年は吉野北人から目が離せない。
■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38