香取慎吾が届ける「いっしょに がんばりましょう」の精神 『キットカット』新CMから考える
「いっしょに がんばりましょう」
香取慎吾がチョコレート菓子『キットカット』(ネスレ日本)のアンバサダーに就任し、新テレビCMが3月27日より公開された。
海洋プラスチックごみの課題解決に向けた取り組みを行なうネスレは、主力製品である『キットカット』(大袋タイプ)の外袋を、プラスチックから紙のパッケージに変更。折り紙の伝統がある日本においては、折り鶴にしてメッセージを添えられるコミュニケーションツールとしても活用できるそうだ。
『キットカット』といえば、もともと九州の方言「きっと勝つと(きっと勝つよ)!」からはじまったと言われる、受験シーズンのゲン担ぎアイテムとしても、今やすっかりおなじみに。“おいしく食べられるお菓子“という存在以上に、私たちの生活に彩りを添えてくれた。そんな『キットカット』のCMで、香取が大輪の花を描き私たちにメッセージを送ってくれた。
CMでは、パッケージを切り開き、テープでつなぎ合わせて、大きなキャンバスを作る香取が映し出される。体育館に広げたところにやってきたのは「先輩へ がんばれ」「先生へ 受験頑張るね!」「おばあちゃん いつまでも元気に」「息子へ 受験大変だけど負けるな」……など、大切な人への贈る言葉を書き留めた人たち。年齢も、性別も、立場も、バラバラな人たちの思いを受けて、香取の作ったキャンバスはさらに大きくなっていく。
そして、香取はオレンジのインクを缶から刷毛ですくい、大胆にキャンバスへとまき散らす。そして様々な色のインクが重なったところを引っ張って、ラインにしていく。「うーん」とアゴをぬぐい、「ふ〜っ」と息を吐くと、今度は黄色のインクを垂らし始める。足はインクまみれ、デニムの裾にも飛び跳ねているが、そのインクの偶然的な動きも香取のアートの醍醐味。
もともとダンボールの裏や壁など、身近にあるものがすべてキャンバスになる香取の作風と、メッセージが贈れる紙パッケージの『キットカット』というコンセプトが見事にマッチしているCMだ。そして色彩豊かな花の上に、香取が描いたのは「いっしょに がんばりましょう」の力強い文字。「届けー!」と手を広げて叫ぶ香取の屈託のない笑顔が眩しい。