TRF、浜崎あゆみ、倖田來未、AAA……エイベックス所属アーティストのライブの特色は? 映像無料公開を機に解説

 小室ファミリーの代表格であった安室奈美恵、新時代のカリスマとなった浜崎あゆみ、さらには、持田香織擁するEvery Little Thing、伴都美子擁するDo As Infinity、現在のK-POPムーヴメントの始祖的存在であるBoAと、エイベックスはいつしかミリオン級女性アーティストを次々輩出していくことで有名なレコード会社となっていた。そんな錚々たる先輩やレーベルメイトの中で、なかなかブレイクすることが出来ず、何度も夢を諦めそうになりながらも何度も立ち上がり、デビューから約5年かけてJ-POPシーンの主役へと躍り出た、とある女の子のリアルシンデレラストーリーをご存知だろうか。その物語のヒロインの名は、倖田來未と云う。彼女はワンマンライブの最後に必ず「walk」というバラードを泣きながら熱唱する。〈歩き続ける/唄い続ける/辛い現実が/そこに待ってても/必ず行くよ―――〉 このフレーズに象徴されているのだが、倖田來未のライブは常に人生を感じさせる。自らもコントロールできないほどに感情が溢れ返る歌声も、どんな超テクニカルなプロダンサーたちと並んでも際立って情熱的に激しく暴れまわるダンスも、自他ともに認める高所恐怖症ながらも布一枚を体に巻き付けて宙を舞うエアリアルティシューも、アクロバティックな演出も、長くしゃべり過ぎちゃって毎回怒られているというMCも(笑)、すべての要素に人間味が溢れている。何があろうとステージに立ち続けてきた者の矜持、そして、ファンへの深い愛情を感じさせるのだ。エロかっこいいとの評判から大ブレイクを果たした存在ではあるが、倖田來未の真の魅力は表面にあらず。ぜひライブで彼女の人生に触れてもらいたい。

倖田來未-KODA KUMI-「KODA KUMI LIVE TOUR 2010 ~UNIVERSE~」~ 20th Year Special Ver. ~

 他にもライブを観てもらいたいアーティストは多数いるのだが、文字数制限の都合上、最後にもう1組だけ。2020年12月31日をもって活動休止することになったAAAのライブについて記させてほしい。伊藤千晃の卒業、浦田直也の脱退などあり、今現在は、西島隆弘、宇野実彩子、日高光啓、與真司郎、末吉秀太の5人組となっているが、今回のエイベックスによるライブ映像無料解放の機会に最も感じ取ってもらいたいのは、AAAはいつの時代も、どの体制時も、どのメンバーも例外なくステージに対して真摯で在り続けたということ。そして、年々、各メンバーのスキル上昇に合わせてバラバラな個性の集合体となっていくのだが(個々のソロ活動も多くなっていくのだが)、ひとたび全員揃うとJ-POPシーン髄一のチームワークを発揮していたということ。言うならば、AAAのライブはいつでもキズナの物語であった。今のタイミングだからこそ、ひとりでも多くの人々にその真実を知ってもらえたらと思う。

【期間限定】AAA TOUR 2008 -ATTACK ALL AROUND-at NHK HALL on 4th of April

■平賀哲雄(ひらがてつお)
1977年12月15日生まれ。神奈川県在住。1999年に音楽情報WEBメディア「hotexpress」を立ち上げ、2012年より「Billboard JAPAN.com」にてライター、インタビュアー、編集者として活動。現在はフリー。20年以上、最前線でアーティスト/ミュージシャンを追い続けている他、イベント司会やコメンテーター、番組MCなど執筆以外の活動の場も広げている。



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