嵐、『Reborn Vol.1』に感じる未来への希望 今の5人だからこそ歌える生まれ変わった3曲
a Day in Our Life / a Day in Our Life:Reborn
メロディにおいて、一番大きいギャップがあったのはこの曲ではないだろうか。
少しワルそうなところがカッコいいヒップホップな原曲から一転、「Reborn」バージョンではキラキラと光が満ち、アップテンポなポップスに変わっている。イントロからすでに元の曲を思い出せないほどのアレンジが加えられていて、かなり新鮮だ。
さらに、幻想的な電子音のイントロから間をおくことなく、松本・大野のメロディ隊から始まることにもなかなかの衝撃を受けた。というのももともとこの楽曲は「ラップ」に主軸を置いた楽曲であり、嵐で「ラップ」といえば「櫻井」だろう。松本・大野は原曲でもメロディパートを担当していたが、どちらかといえばコーラス的な役割だった。また、原曲のタイアップが櫻井出演の『木更津キャッツアイ』シリーズ(TBS系)であることから、ファンにも「櫻井メインの楽曲だ」という意識が染み付いているように思う。その強く染みついたイメージを、イントロから蹴破ってきたのだ。
その一方「櫻井がこの歌の立役者である」という旨味は尊重され生かされている。櫻井のラップパートでは、他のメンバーがラップのハモリやメロディ部分を交互に声を重ねて歌い上げ、櫻井ラップの魅力を引き出している。。「A-RA-SHI:Reborn」とは対照的に、ソロパートの旨みよりも混ざり合うハーモニーの美しさが際立っている印象だ。「櫻井メインの曲」というイメージから「5人で歌い継いできた曲」へと生まれ変わっており、グループとしての歴史と絆を感じられた。
また「a Day in Our Life」も「A-RA-SHI:Reborn」と同様に原曲の日本語詞が大幅に英詞へと改変されている。ふと改めて原曲のクレジットを見返して気づいたが、当時はまだ“Sho Sakurai”の名前はない。この歌は彼がリリックに挑戦する前の歌なのだ(つまり今となってはお馴染みの原曲の冒頭にある〈A to da R A S H I〉というリリックは、当時は完全に櫻井のアドリブだったのだろう)。それが、「Reborn」バージョンではクレジットに名前が入り、正式な歌詞として採用されているのも感慨深い。
かと思えば、大幅に改変された英詞を読み解くとどこか切ない哀愁の様なものが垣間見える。過ぎ去りし美しい思い出、砂の城のような君。一区切りが来る未来から目を背けて、過去の美しい思い出に浸っているようにさえ感じられる。だからこそ結びの歌詞が力強く響く。
〈Yeah, we will see each other again〉
「きっといつかまた逢えるさ」、意訳するとそんなところだろうか。このフレーズで、ファンの間では屈指の名曲「Still...」を思い浮かべた人も多いだろう。
「いつか笑ってまた再会 そう絶対」
そんな風に語りかけてくれている気さえしてくる。