嵐 大野智の歌声の特徴は? 「two」「Hung up on」……ソロ楽曲からみえるボーカリストとしての魅力
嵐が2月7日、各種ダウンロード・ストリーミングサービスにて、これまで発表してきた全256曲にわたるアルバム楽曲の配信解禁をした。
昨年11月のシングル楽曲における配信解禁を皮切りに、彼らの作品は様々なプラットフォームで楽しめるようになったわけだが、今回の発表を経て、より多くの楽曲に容易にアクセスできるようになった。しかもアルバム曲なだけに、「嵐のこの曲をオススメしたいけれど、アルバムを買わないと聴けないのか……」と、悔しながらも家族や友人に対する“布教”の機会を逃してきたファンにとっては、千載一遇のチャンスともいえるのではないだろうか。
そんな嵐は“国民的アイドル”として知名度は高いものの、どうしてもアルバム収録のメンバーソロ曲などは、歌番組やラジオでも耳にする機会がそれほど多くはなく、もったいないと思っていたのが正直なところだ。そこで本稿では、新たに配信解禁となったラインナップより、嵐のなかで抜群の歌唱力を誇る大野智のソロ楽曲を取り上げつつ、彼のボーカルとしての才能について考えてみたい。
まず、大野の歌声の特徴として挙げられるのが、幅広いジャンルの楽曲にも適応できる耳馴染みのよい声質だ。グループのなかには、ハキハキとした発声の松本潤らがいるなかで、大野の歌声は芯のブレなさがありながらも決して極端に鋭く尖ってはおらず、歌唱時に感じるアタック音からも物腰柔らかな印象を受ける。柔和で広がりのある声質だ。
そんな大野の歌声は、どのような楽曲トラックにも上手く溶け込み、そのサウンドとの相性の良さを存分に発揮してくれる。例えば、2012年発売の『Popcorn』収録曲「two」では、大野のソロ楽曲らしい“大人っぽい”トラックの上で、切なさを感じさせながら、曲後半では一番の聴かせどころとして高らかにロングトーンを披露。また、2016年発売の『Are You Happy?』収録曲「Bad boy」は一転して、ダンスミュージック調のドロップが映える一曲に。同曲のラップパートでは、力強いキックに負けないくらい、地に足が着いたロートーンながらも、熱量の高さを感じさせる挑戦的な歌詞を歌い上げていた。