DracoVirgo、ハイカラ時代から変わらぬ音楽への思い ステージ上で示すバンドのアイデンティティ

DracoVirgoが貫く音楽への思い

デビュー15周年に元ハイカラメンバーが集結

 mACKAzとSASSYの2人は、パワー全開のテクニカルな演奏で歓声を浴びた。特に中盤で演奏した、インストゥルメンタルナンバー「Massatsu」は圧巻。バキバキの重低音が鳴り響くベースプレイと、スティックをくるくる回しながら超絶技巧で聴かせるドラムで、演奏で観客を引きつけた。

 そこから一転、自分たちで「プリンのカラメルソースのようなコーナー」と評したリズム隊2人のMCコーナーでは、笑いを交えたトークで観客をほぐした。MCコーナーの最後には、1月26日がちょうどハイカラがメジャーデビューして15周年の記念日であることに触れる。SASSYが「ハイカラの時からの人間関係が俺のすべてで、同じ環境で今も音楽を出来ているのは、みんなに感謝しかない。ありがとう」と感謝を述べて、ハイカラ時代からのファンの胸を熱くさせる場面もあった。

 そんなハイカラの元メンバーのMEGとユウスケが、ゲストで登場して観客を沸かせた終盤。子どもの頃の遊びをモチーフにした「hanaichimonme」では、グルーヴィーなサウンドにMEGのトリッキーなギターが絡む。ユウスケは、登場早々「渋谷、楽しむ準備は出来てるか!」と観客を挑発し、「ABRACADABRA」でMAAKIIIのボーカルに、デスボイスやシャウトで合いの手を入れて楽曲に色を添えると、観客はリズムに乗ってタオルを回しながらジャンプした。

 アンコールでは、「ヤバイ、すごい。めちゃめちゃエネルギー交換出来てる気がする」と嬉しそうに目を輝かせたMAAKIII。「これが幸せって言うのかな?」と、感無量で言葉に詰まる様子もあった。また当日はユウスケの誕生日で、みんなで祝う場面もあり、「こんな日に呼んでくれてありがとう」と、ユウスケも嬉しそうに笑顔をほころばせた。15年変わらない仲の良い雰囲気に、会場にも笑顔の輪が広がった。

 「今日は旧正月で、しかも新月。こんな日にみんなと会えて嬉しいです。沖縄のおじいとおばあも喜んでくれているかな〜?」と、MAAKIII。遠く沖縄の家族への思いも馳せながら、最後に沖縄の伝統音楽をベースに、メタル、ラップやデスボイスも合わさった、DracoVirgo流のミックスチャーサウンドの「RYUKYU」を披露した彼ら。会場には〈ハイヤ、イヤサッサッ〉と沖縄民謡のかけ声が飛び交い、観客も手拍子をしながらジャンプして、会場はまるでお祭りのような騒ぎに。彼らのアイデンティティの集合体とも呼べるこの1曲に込められた、愛と畏敬の念がきっとDracoVirgoを次なるステージへと導いてくれるだろう。

『Opportunity』クロスフェード動画

<セットリスト>
SE : Rainbow Butterfly
1.“KALMA”
2.清廉なるHeretics
3.超感覚的知覚
4.DASH!脱出!奪取!
5.kIRA○kIRA
6.トリックスター
7.Oh Eh Oh
8.阿弥陀の糸
9.FLY
10.Massatsu
11.××××
12.いーじゃんっ!
13.ココニオイデヨ
14.スノーボールアース
15.ハジメノウタ
16.Opportunity
17.hanaichimonme
18.HATENA
19.Magma
20.ABRACADABRA
21.SPAAAAAAAAAARK!!!
Encore
En-1.KAIBUTSU
En-2.RYUKYU

dracoVirgo 公式サイト

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